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軍用航空機の略で、各国の軍隊が所有し、各種軍事作戦に使用される飛行機そのほかの飛行物体の総称。用途別に、戦闘機、攻撃機、爆撃機、偵察機、警戒・哨戒機、輸送機、給油機、練習機などにわけられる。また型式別には、固定翼機、回転翼機(ヘリコプターなど)に大別される。固定翼機には特殊なものとして垂直離着陸機(VTOL)やグライダーなどもふくまれる。また、古くは飛行船や気球も観測や爆撃などにもちいられており、これも軍用機にふくまれる。 現在の軍用機の主流となった飛行機は、出現当初は木材、針金、帆布でつくられた単純なものであったが、現在では複雑高度な兵器に発達し、戦争の姿を大きくかえるまでになった。航空機は軍隊の指揮官の新たな情報収集手段となり、戦場を支配して遠距離の敵も攻撃し、さらに世界全域に補給路と交通網をはりめぐらすことができる。これによって戦場の前方は危険で後方は安全という古い常識はくつがえり、兵士だけでなく一般市民も攻撃にさらされるようになった。
気球がはじめて軍用にもちいられたのは1794年、フランス革命のときで、普仏戦争でも連絡用などに使用された。気球は砲兵部隊の弾着観測用にも活用され、第1次世界大戦でも使用された。飛行船は、第1次世界大戦ごろには大型で航続能力のすぐれたものが実用化し、ドイツのツェッペリン飛行船はロンドン爆撃をおこなった。しかしその後、飛行機の発達によって活躍の場がうしなわれ、しだいに姿をけしてわずかに哨戒用につかわれる程度となった。
飛行船にかわって広く使用されるようになったのが、飛行機である。1903年12月17日、アメリカのライト兄弟が世界ではじめての飛行機の飛行に成功したが、その6年後に飛行機開発の主導権はヨーロッパにうつった。ヨーロッパの各国政府は研究開発事業を助成し、航空関係者をそだてあげるなどして史上最初の軍用飛行隊を創設した。14年7月に第1次世界大戦がはじまると、その1カ月後には飛行機は戦場で偵察と観測をおこなった。そしてこれを撃墜するために機関銃を装備した戦闘機が登場して、空中戦時代が到来する。 戦闘機としては、ドイツのフォッカーD.VII、フランスのスパッド13、イギリスのS.E.5、ソッピース・キャメルなどの優秀機が次々と開発された。また、戦場の空中観測、砲兵火力の誘導なども重要な仕事であった。対地攻撃機も活躍し、飛行船とならんでドイツのゴータ、ツェッペリンR-6などの巨人爆撃機もつくられた。
第2次世界大戦は始めから終わりまで空の戦いであった。1939~40年に、ドイツはポーランド、フランスに電撃戦とよばれる侵攻作戦をおこない、地上部隊と航空機の連携の威力を証明した。とくに急降下爆撃機ユンカースJU87は対地攻撃に絶大な威力を発揮した。40年夏のイギリス上空の戦いでは、レーダー網と連携して要撃戦闘をおこなったハリケーン、スピットファイアなどの要撃戦闘機が活躍した。 1943年以降アメリカ軍のB-17やB-24爆撃機は、ドイツ本土に対して昼間精密爆撃をおこなった。とくにP-47サンダーボルト、P-51ムスタングなどの長距離掩護(えんご)戦闘機が出現して以降、ドイツ上空の制空権はほとんど連合軍のものとなり、44~45年のアメリカ、イギリス軍の爆撃によってドイツの諸都市は廃墟となった。 連合軍の作戦行動をささえる膨大な人員、補給物資を輸送するためには、C-47、C-54、C-46などの輸送機が活用された。またこれら輸送機は空挺作戦にも使用された。PBYカタリナ飛行艇は大西洋、太平洋で対潜哨戒、海上交通の確保および遭難パイロットの救助に活躍した。
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