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  • グローバル・ポジショニング・システム - Wikipedia

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  • GPSとは 【全地球測位システム】 (Global Positioning System ...

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GPS(全地球測位システム)

GPS(全地球測位システム) ジーピーエス
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

Global Positioning Systemの略。人工衛星を利用した宇宙規模の無線航行システム(航法)。GPSは天候に関係なくユーザーが地球上のどこにいようとも、時間・位置・速さに関する情報を提供している。おもな用途は、カーナビゲーションや船舶・航空機の航法、測量などだが、ハンディタイプの安価な受信機もあり、登山者などが利用する例もある。

II

歴史

GPSが出現する以前の1967年には、アメリカ海軍が開発したNNSS(Navy Navigation Satellite System:アメリカ海軍航行システム)が民間に開放されていた。このシステムは使用された人工衛星の名前からトランシット(transit)ともよばれ、数個の人工衛星を利用した測位システムの先駆けとなった。ただし、数時間ごとの情報しかなく、誤差が数百メートルというもので、90年ごろまで、おもに商船を中心に利用されていた。

GPSはアメリカ国防総省を中心に軍事利用を目的として1970年代に開発されたNAVSTAR(Navigation Satellite with Time And Ranging)がもととなっている。73年にアメリカ空軍と海軍が共同で開発に着手し、78~85年に合計11機のナブスター衛星をうちあげて、システム試験がつづけられた。89年からは新たな衛星の打ち上げが開始され、合計26個の衛星を地上2万kmの軌道上に配置した。このシステムがGPSとして、民間でも無料で利用できるように開放されたのは、93年12月に国防総省がアメリカ運輸省に対して正式な運用開始宣言を通達したときからである。高精度のわりに比較的安価な小型装置でも利用できるため、従来の航行補助だけでなく他分野でも大いに利用されている。

旧ソ連でも1970年代にGPSと同様のGLONASS(Global Navigation Satellite System)を開発した。ヨーロッパでも独自の測位システム(GALILEO)が研究、開発されており、2008年の運用開始をめざしている。現在、ロシア軍が運用しているGLONASSはGPSとほぼ同じ機能をもつ衛星測位システムで、1996年には24衛星をつかって、全世界を24時間カバーしていた。しかし、95年以降は新たな衛星の打ち上げがなされておらず、2005年6月現在、14衛星が稼働している。

III

GPSの仕組み

GPSは、地上2万kmの高度で1日に地球を2周する円軌道上にあるGPS衛星と、GPS衛星を追跡・管理をおこなう管理局、それにユーザー(利用者)の受信機から構成されている。

1

GPS衛星

GPS衛星は軌道傾斜角(地球赤道面と軌道面との傾斜角度)約55度の6軌道面にそれぞれ4衛星ずつ配置され、計24衛星で運用される計画であったが、2005年6月現在では29衛星が利用可能である。このGPS衛星からは、位置座標(緯度、経度高度)および時刻のデータが軍事目的用に暗号化されたPコードと民間用に開放されたC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)が刻々と発信されている。利用者は4個以上の衛星からのデータを受信することにより、自分の位置を計算して知ることができる(ただし、緯度と経度をもとめるには3個の衛星だけでも可能で、高度を知るためにもう1個の衛星が利用されている)。衛星からの距離は、衛星から発信された電波が受信機に到達するまでの時間からもとめられる。また、車や航空機など移動体で利用した場合は速度や方位も知ることができる。

GPSでは、信号の発信時間と受信時間との差を計算し、位置を特定している。そのため、GPSの人工衛星には、きわめて正確に時をきざむ4個の原子時計(→時計の「原子時計」)が搭載されている。なお、衛星に搭載された原子時計の相対性理論による誤差は1日当たり約39µ秒(距離に換算すると、約12kmの誤差となる)にもなるため、あらかじめ補正がなされている。そのため受信者は、衛星から発信される信号にふくまれる時間の情報をもとに、常に発信時間をつかむことができる。また、この信号には、衛星の位置を把握するためのデータと、正確な位置特定のために必要な修正データがふくまれ、受信者は受信時間と発信時間の差から、衛星までの距離を計算するが、その際、電離圏対流圏による信号伝達の遅れを考慮にいれなければならない。衛星までの距離と、信号発信時の衛星の位置がわかれば、受信者は自分の3次元位置を把握することができる。

当初のGPSでは、民間が利用可能なSPSサービス(Standard Positioning Service:標準測位サービス)には意図的にSA(Selective Availability)とよばれる精度劣化操作がほどこされていた。そのため、100mにおよぶ測位誤差が生じていた。しかし、当時のクリントン大統領により2000年5月2日からはSAが解除され、精度は大幅に向上した。現在保証されている精度は2drms(The distance root mean square:放射状測位誤差の自乗平均の正の平方根)といわれている。GPSの場合、定点に受信機を設置して連続して測位をおこなっても、ランダムな測距誤差によって測位点はちらばってしまう。それらの平均位置までの距離を2乗平均して平方根をとったものをdrmsとよんでいる。そして平均値を中心としてその2倍、つまり2drmsが測位誤差の目安とされている。実際には平均位置を中心として、半径2drmsの円の中に全測位点のおよそ95%が入るといわれている。したがって、この数字は小さい方が高精度であるといえる。SA解除前の最大で100mといわれた測位誤差も30m程度にまで向上した。

また、GPS衛星の日付データは、1980年1月6日から何週間経過したかを10桁(けた)の2進数であらわしていたため、1024週までしか対応していなかった。そのため、こうした事態に対応していなかったカーナビゲーション用装置などでは1024週目に入る99年8月22日、週データがゼロにもどる事態が発生した。

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