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最大のクジラで、地球上に出現した最大の哺乳類。ナガスクジラ科の一種だが、和名の中のナガスは長身の意。全海域に生息する。大半の個体が季節ごとに広域を移動して、冬は熱帯または亜熱帯へ、夏は両極の積氷(風、潮流などによってあつめられた浮氷でできた広大な氷丘、パック・アイス。→ 流氷)の間際まで回遊する。低周波の大きなうなり声を発し、それは海中をとおって150km先までとどく。このうなり声によって、群れの仲間たちと広い海をへだてて連絡をとりあっているらしい。
シロナガスクジラの体長は最大個体で30mにも達し、おとなのメスはオスよりわずかに体長が長いのがふつうである。小さな背鰭(せびれ:→ 鰭)は体のずっと後方についている。体表は明るい灰色と白のまだら模様で、晴れた日に海面近くまであがってくると明るい青にみえる。まだら模様は個体ごとにことなり、研究者たちが個体識別に利用している。
シロナガスクジラは口をあけてオキアミや魚など、小さな海の生き物の密集した中に突進して食べ物をとる。水と食べ物が口になだれこんでくると、喉(のど)にある60枚以上の畝(うね)が広がって、顎(あご)先から臍(へそ)までの大きな喉袋となる。その後、小さな隙間(すきま)をのこして口をとじ、口蓋(こうがい)からたれさがる、270~390枚の太い房状の黒いひげ板の間から水をおしだす。ひげ板はふるいの役目をして、中に食べ物をこしとることができる。しばしば数頭がならんで獲物に突進することがあるが、これはたがいの体を利用して獲物がにげるのをふせいでいるらしい。→クジラの「ヒゲクジラ」 おとなのメスは2~3年ごとに出産する。交尾は夏におこなわれ、妊娠期間はおよそ11カ月である。子はふつう1頭が翌春に生まれ、双子はめずらしい。子は7~8カ月間乳をのみ、1日90kgも体重がふえていく。
1930~60年代にかけて、ノルウェー式の近代捕鯨が発達したことで、鯨油、くじらひげ、肉などを目当てとする大量捕鯨のえじきとなり、絶滅しそうになった。現在は保護されているので、いくつかの生息地では個体数が徐々に回復していくものと思われる。85年から毎年、夏の終わりになるとカリフォルニアのモンテレー湾で食べ物をとる姿がみられるようになっているが、ひきつづき絶滅が危惧(きぐ)されている。→捕鯨の「近代捕鯨」 分類:哺乳綱クジラ目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科。シロナガスクジラの学名はBalaenoptera musculus。 → 絶滅の渦
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