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中型のアザラシで、短い毛が密生し、灰色の斑点がついている。体はふっくらし、体長はおよそ2m。短い胸鰭(むなびれ:→ 鰭)、大きな目、触覚器としてつかわれる立派な頬(ほお)ひげをもつ。北半球の温帯から寒冷海域の沿岸にすむ。バハカリフォルニアスルから北太平洋のアリューシャン列島、千島列島をへて北海道にまで生息する。大西洋では、フロリダ州中央部から北、グリーンランドの一部、さらに東大西洋のスペイン北部にまで分布する。氷上で繁殖するゴマフアザラシはごく近い仲間で、近年まで同一の種と考えられていた。ベーリング海、チュコト海、オホーツク海から北海道近海、大陸にそって渤海、黄海北部にまで分布する。
エビなどの甲殻類、タコなどの無脊椎(むせきつい)動物、各種の魚などさまざまなものを食べる。ふつうは単独で獲物をとる。集団で獲物をねらうこともあるが、協力する状況はみられない。数百にものぼる群れをなして陸にあがる。しかし他の鰭脚類とちがって、たいていはたがいに接触することはない。陸上では用心深く、人間が近づくと水にもどってしまうことが多い。 生息地によって繁殖期はことなり、晩冬から秋半ばまでの時期に繁殖する。交尾はふつう水中でおこない、メスをめぐるオスの争いはほとんどない。1度の繁殖期に雄雌ともに複数の相手をもつと思われる。受精卵の着床は2~3カ月おくれるので、妊娠期間はあわせておよそ10カ月となる。春から真夏に1子がうまれ、3~6週間後に乳離れする。
何千年にもわたって、人間の食料、毛皮、ランプ用オイルとして捕獲され、近年は、水産業のため獲物をうばわれ、数が少なくなっている。1980年代後半には、北欧周辺の海域でジステンパーウィルスのために何千頭もが死んだ。ヨーロッパや北米では人間の居住地の近くにすんでいるため、死骸にはしばしば重金属、PCB、DDTなどの化学物質が高濃度で蓄積されている。ヨーロッパや、とくにカリフォルニア、オレゴン、ワシントン各州の海岸では、エコツアーの対象となっている。→ DDT汚染 分類:哺乳綱ネコ目(食肉目)アシカ亜目(鰭脚亜目)アザラシ科。ゼニガタアザラシの学名はPhoca vitulina。ゴマフアザラシはPhoca largha。
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