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イルカの仲間で最大。クジラ目の中でもっともひろく世界に分布する。サカマタともいい、学名からオルカとよばれることもある。全海域の外洋と沿岸のどちらにも生息するが、熱帯よりも食べものの豊富な南北半球の寒冷域の海に多い。かぎられた海域にくらす個体の行動圏は、数百平方キロメートルにおよぶと思われる。回遊(→ 動物の移動)をおこなうシャチは、海岸線にそって1000kmもの距離を数日でおよぎきる。
シャチの体色は全体に黒または濃褐色で、目の上と下顎(あご)から腹部にかけてはくっきりとした白色。背鰭(せびれ:→ 鰭)のすぐ下と後ろにうすい灰色の斑紋(はんもん)がある。オスはメスよりいくらか大きく、おとなのメスが体長8.5mまでなのに対して、オスは9.8mに達する。背の中央に三角形の背鰭がめだつが、とくにおとなのオスでは1.8mもの高さになる。オス、メスとも胸鰭(むなびれ)は大きな長円形で、他のハクジラとはことなる。
シャチは単独、あるいは50頭までの群れで生活する。魚、イカ、海鳥、アザラシ類、それに他のクジラ類を食べものとする。ふつう獲物をとらえるときには協力しあい、とくにペンギン、アザラシ、ネズミイルカなどの大型恒温動物をとるときにはそうである。地球最大の種であるシロナガスクジラを捕食することも知られている。 多くの地域で食性は特殊化している。たとえば、アメリカの太平洋北西部やカナダの太平洋地域で、かぎられた海域にくらすものはおもにサケや他の沿岸にすむ魚を食べるが、回遊するものはおもにゼニガタアザラシや小型のイルカを獲物とする。南半球では、あらい波のよせる浜辺にのりあげて、アザラシやアシカをすばやくつかまえたのち海へもどるという習性をみせる場所がある。
シャチも他のイルカとおなじく、周囲の情報をあつめるために反響定位をおこなっている。高周波のクリック音を発して、獲物や他の物体からの反響をよみとるのである。ガリガリというきしみや悲鳴のような音をやつぎばやにたてて、たがいに意思をつたえあう。聴力にすぐれた海生哺乳類をねらっているときは、何時間も静かにしていることもある。
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