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旧石器時代(→ 石器時代)の壁画で世界的に有名な地下洞窟遺跡(どうくついせき)。フランス南西部ドルドーニュ地方、モンティニャック村にある。1940年、迷い犬をさがしていた地元の子供たちに発見された。洞窟の壁や天井にのこる壁画は、雄ウシ、ウマ、シカ、バイソン、サイなどの動物が中心で、黒、赤、茶色、黄色などをもちいて写実的に描かれている。→ 旧石器時代美術
洞窟は大きな主洞と、奥洞や、井戸とよばれる部屋などいくつかの小部屋からなる。「雄ウシの部屋」ともよばれる主洞には、最大で長さ5m以上の雄ウシのほか、比較的小さなシカやウマなどが描かれている。また「井戸」には、槍(やり)をつきさされて内臓をみせているバイソンや、バイソンにたおされたらしき人の姿が描かれるが、この人物の頭は鳥の形をしている。そばには鳥をのせた竿(さお)や、投槍器と思われる鉤(かぎ)のついた棒も描かれている。 これらの絵は、狩猟の光景をあらわすとも、呪術的(じゅじゅつてき)な儀式をあらわすともいわれるが、はっきりしていない。絵が描かれた年代は、大部分がマドレーヌ文化期(1万7000年前~1万2000年前)に属するといわれ、「井戸」から発見された木炭を炭素14法で測定したところ、約1万6000年前という数値がえられた。→ 年代測定法
ラスコー洞窟には人間が居住した跡がなく、壁画を描き、呪術的な場所として利用されたと考えられている。1948年から一般公開され、毎年多数の訪問者がおとずれた結果、二酸化炭素や電気照明によってバクテリア(細菌)や菌類が繁殖し、壁画をむしばんだため、63年に公開は中止された。現在は洞窟のすぐそばに、「ラスコーⅡ」とよばれるオリジナルにきわめて近い複製洞窟がつくられ、訪問者はそちらを見学できる。 洞窟のあるベゼール川沿いのベゼール渓谷には、ほかにも壁画ののこされた多くの洞窟や、先史時代の集落跡がある。モンティニャック村から25kmほどはなれた町レ・ゼジーでは、現代ヨーロッパ人の直接の祖先といわれるクロマニョン人の骨が発見されている。
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