| 検索ビュー | イタリア料理 | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
イタリアは、ヨーロッパの中でもはやくから周辺各国との文化の交流が盛んであったため、料理の歴史は古く、内容も多種多様である。また、各地域ごとに特徴のある料理が多いが、これは、イタリアが1861年に近代統一国家として成立するまでナポリ王国などの諸国家がさかえ、それぞれ独自に料理文化が発達したためである。イタリア料理の多様性は地理的条件も大きく関係している。地中海につきでた半島の国で南北に細長く、また、三方が海にかこまれているため、農産物のほか魚介類などの海産物も豊富だからである。
| II. | パスタ料理 |
パスタの豊富さも特徴のひとつとしてあげられるが、パスタの中でも乾燥パスタのスパゲティやマカロニはイタリア南部で発達した。一方、ラザーニャ、ラビオリ、カネロニなど生パスタはイタリア北部で発達している。日本でもなじみになったピッツァ(ピザ)は南部で多く食べられている料理である。
| III. | 米料理 |
北部では米が多くとれるため米料理が発達している。細かく切ったタマネギとともに米をバターでいため、スープストックでやわらかく炊いたリゾットは種類が多い。タマネギ、牛の骨髄をくわえサフランをいれて黄色くしあげたミラノ風リゾットや、イカ墨をくわえたイカのリゾットなどがある。米と野菜を煮こんだミラノ風ミネストローネなどもある。また、トウモロコシの粉をねりあげたポレンタも北部の料理である。ポレンタは、今は煮込み物や料理の付け合わせなどにもちいられているが、かつてはパンの代わりであった。
| IV. | イタリア料理の特徴 |
いずれの地方の料理にも欠かすことのできないのが、トマトソースとオリーブ油である。とくにパスタ料理の発展はトマトソースと関係が深く、ソースに適したトマトがナポリで栽培できたことが大きく貢献している。オリーブ油もいため物、サラダのドレッシングなどの料理に広くもちいられ、イタリア料理を特徴づけている。
イタリア料理のフルコースは、食前酒にはじまり、アンティパスト(前菜)、プリモ・ピアット(1番目の皿)、セコンド・ピアット(2番目の皿)、それにサラダやゆで野菜がつき、チーズ、ケーキ、果物、コーヒーとつづき、最後に食後酒でおわる。イタリア料理ではパスタ料理もリゾットもスープ代わりに食べるもので、プリモ・ピアットにはこれらがもちいられる。セコンド・ピアットには、肉や魚を主体とした料理が出る。しかし、家庭ではもう少し簡単で、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、サラダ、果物、コーヒーでおわるのがふつうである。また、イタリアではブドウの栽培が盛んで、各地に個性的なワインがあり、これもイタリア料理に欠かせないものである。
| V. | イタリア料理の食材 |
イタリア料理の外国への普及は、20世紀の初め、アメリカに移民した農民たちにはじまるといわれる。日本でも1970年代以降、専門料理店がふえ、ピッツァなどはファーストフードとしてもしたしまれている。近年、グルメブームや、イタリア旅行で本場のイタリア料理を食べた人々がふえ、イタリア料理の食材の輸入や日本国内での生産が盛んになっている。
オリーブ油とともに重要なものはワインやリンゴでつくった酢で、なかでもバルサミコ酢は名高い。白ワインを熟成し、カシやサクラなどの樽(たる)にうつしかえて3年以上、なかには20~50年熟成するものもある。赤みがかった茶色をし、芳香が強く、オリーブ油との相性は抜群である。白ワインビネガーはさわやかな味で、魚や野菜の料理によくつかわれる。赤ワインビネガーは白より香りや癖が強い。香りの高いリンゴ酢はドレッシングやマリネなどにつかう。
さまざまなハーブも国内で栽培され、スーパーでも手に入るようになった。バジル、オレガノはトマト料理に欠かせないし、ゴマ風味のルッコラはサラダに人気がある。タイム、セージ、ローズマリーは肉や魚料理に風味をつける。野菜ではズッキーニ(→ カボチャ)、アーティチョークがよくつかわれる。キノコではマツタケに匹敵するポルチーニがあるが、日本では生は入手しにくく、乾燥品や油漬けした品が出まわっている。
肉製品では、プロシュート(生ハム)や、パンチェッタ(ベーコン)がイタリア料理によくつかわれる。国産品がどこでも手に入るが、本場物ではパルマ産の生ハムが有名である。
チーズはフレッシュタイプではモッツァレラ、リコッタ、マスカルポーネなど、ウォッシュタイプではフォンティーナ、ハードタイプはポー川流域でつくられるパルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザン)やペコリーノ、青カビタイプは世界三大ブルーチーズのひとつ、ゴルゴンゾーラがある。