| 株式会社 | 項目ビュー | ||||
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| II. | 株式会社の特徴 |
株式会社の特徴は、株式と有限責任の原則にある。株式会社という企業形態は、株式の仕組みによって出資者の責任を有限化し、そのリスクを軽減することで資金があつまりやすいようにした。それと同時に、株主は会社の実務に直接関与することはできなくなり、基本的には株主総会における判断以外は無機能化することになった。株主総会が会社の最高意志決定機関であることにはちがいないが、そこで決議できるのは会社法または定款でさだめられた基本事項に限定されているのである。
そこで株主は、株主総会で取締役を選任して経営実務を委託する。選任された取締役は会社を代表するとともに、実際の経営実務に関する意志決定をおこなう。会社法により、すべての株式会社に1人以上、取締役会設置会社には3人以上の取締役をおかなければならない。取締役会は、株主総会の招集や代表取締役の選任、あるいは新株や社債の発行を決議する機関である。このような経営判断のほかに、取締役会は代表取締役の業務執行を監督する権限があり、ひいては従業員全体を監督する権限がある。
株主総会で選任される監査役と権限が重なる部分があるが、取締役会の監督権限は企業の利益に関する経営判断からなされ、取締役の業務執行の適法性を監査する監査役とは視点がことなる。
取締役会または株主総会決議で選任された代表取締役は、取締役にかわって会社の代表権をもつ(会社法349条3項)。従来、代表取締役はかならずおかねばならなかったが、会社法により取締役会設置会社をのぞけば必須のものではなくなった。代表権とは、当該取締役の意思決定や行為は、対外的に会社の決定や行為であることを意味する。代表取締役に数の制限はないが、複数の代表取締役が共同で会社を代表する共同代表取締役制度は会社法で廃止された。
数に制限がないことから、社長のほか、会長、副社長、専務、常務などが代表取締役の場合もあり、彼らの代表権は対外的には不可制限的な権限であり、たとえ社内的に代表権に制限を課しても、それを知らずに契約した外部の善意の第三者に対しては対抗することはできない(会社法349条5項)。
ただし代表権の不可制限性が、取締役会の決議にそむいてはならないこと、またあくまでも会社の利益のために使用されなければならないことはいうまでもない。代表権を個人的利益の目的で使用することを権限濫用といい、経営者を監視する場合の重要な要素である。代表取締役の経営判断が結果として会社や株主に損失をあたえるものであったとしても、彼が善管注意義務と忠実義務という2種類の義務をはたしてさえいれば、事後的に責任を問われない(経営判断の原則)。だからこそコーポレート・ガバナンス(企業統治)とコントロールの合理性が問題になるのである。
とくに会社と経営者の間に利益相反関係がある場合、経営者は常に会社の利益を優先しなければならないという忠実義務(会社法355条)は、役員報酬を決定する場合など、さまざまな場面で問題となる。取締役が法令や定款に違反した場合、彼は会社に対して損害賠償責任をおうことがさだめられている(会社法423条)。