国家(政治)
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国家(政治)
II. 近代国家と国民国家

この近代国家は、一般に「領域」「主権」「国民(民族)」から構成される。つまり、(1)国境でかこまれた一定の領域が確保されていること、(2)その領域内では一元的な法律の権威が共有され、その法律を制定し、強制するための排他的組織が確立していること、(3)構成員の間で言語、文化、宗教に関して相当程度の共通性がたもたれていること、の3つの要件である。

この近代国家(ステート)は、前述の国家(ポリティカル・コミュニティ)とは概念的に明確に区別されている。近代国家が成立するのは、歴史的にみれば16~17世紀の西ヨーロッパのことであり、絶対君主の力によってつくりあげられた権力組織としてあらわれた。

強力な君主は、全ヨーロッパを支配していたローマ・カトリック教会から独立し、世俗権力を確立する。それは同時に、官僚制と常備軍という新しい手段によって、地方に割拠していた封建諸侯の権力をうばい、一元的な権力を確立する過程でもあった。

この近代国家が市民革命をへて、ネーション(民族)を基本的単位にしたネーション・ステート(国民国家)に再編成される。国語と国民文学、また国民的な文化と生活様式を共有する人々が国民を形成していく運動や主張がナショナリズムである。

こうした国民国家規模の統一は、封建的拘束から自由に経済活動をいとなむことをもとめていた新興ブルジョワ階級に支持され、ヨーロッパ全域で進行した。