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| I. | プロローグ |
石油化学で生産される代表的な製品のひとつで、いわゆる汎用のプラスチック。エチレンCH2=CH2は、石油のクラッキングの過程で大量にえられるが、この分子をモノマーとして、多数の分子を重合させてポリマーとしたもの。
原料(レジンまたはペレット)は熱をくわえると容易に流動性をもつようになるので、成型してバケツなどの日用品、フィルムベース、包装材料、絶縁材料などに大量につかわれる。
| II. | 合成法の歴史 |
エチレンが1000~2000気圧、200°C程度の高温高圧のもとで重合することが、1933年に発見され、その後に工業化されて高圧法とよばれるようになった。ドイツの有機化学者チーグラーは、53年にトリエチルアルミニウムと四塩化チタンを触媒にして、60~80°Cで常圧~6気圧程度の低圧で、エチレンの重合がすすむことを発見した。この触媒をチーグラー=ナッタ触媒といい、その合成法を低圧法という。
同じ時期に、中圧法も開発されている。中圧法にはいくつか種類があるが、フィリップス法という方法は、酸化アルミニウムと酸化ケイ素の上に酸化クロムを付着させた触媒をつかう。スタンダードオイル法というのは、酸化アルミニウムの上に酸化モリブデンを付着させた触媒をつかって、数十気圧、100~170°C程度で反応させる。高圧法、中圧法、低圧法という合成方法の違いによって、製品の性質もことなる。
| III. | 高密度ポリエチレン |
低圧法やフィリップス法で合成したポリエチレンは、分子の枝分かれが少なく、材料の中で結晶構造をとっている部分が多く密度が高いので、高密度ポリエチレンといい、高圧法のポリエチレンに比較して透明性、加工性、耐候性ではややおとるが、硬度、強度、耐熱・耐寒性能ではすぐれている。
高圧法によるポリエチレンは、結晶化度が数十パーセント、密度0.92g/cm³、軟化点温度が100°C程度にとどまり、低密度ポリエチレンとよばれるのに対して、高密度ポリエチレンは、結晶化度が95%に達し、単結晶の密度は0.95g/cm³、軟化点温度は120°C程度になる。