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| I. | プロローグ |
スパゲティやマカロニを代表とするイタリアの麺(めん)類の総称。パスタはイタリア語で小麦粉をねった「練り粉」という意味。日本ではJAS(日本農林規格)によって形状や大きさから、スパゲティ、バーミセリ、マカロニ、ヌードルに区分し全体をマカロニ類として規格化している。
イタリアでパスタが普及したのは、13~14世紀とされている。小麦粉を練り粉にして利用することは古代ローマ時代にはじまったと考えられるが、麺としての利用が本格的になったのは、中世前期にパスタ用良質小麦であるデュラムコムギの栽培が普及したためである。
16世紀には圧力機の登場と、アメリカ大陸からのトマトの伝来によってパスタの種類と利用がふえた。パスタのソースにかかせないトマトがなければ、パスタ料理の発展はありえなかったといっていい。ナポリがパスタの主産地として発展したのは、トマトの栽培とパスタの乾燥に適した気候だったためである。
パスタの代表であるスパゲティは機械製麺の発達によって誕生したもので、歴史は新しいが、マカロニなど穴あきタイプについては15世紀の文献に手打ちの方法が記載されている。19世紀にはパスタの人工乾燥機が発明され、パスタはヨーロッパ、アメリカへと広がった。
パスタの基本的な材料は小麦粉と水や卵などで、手打ちパスタには副材料にホウレンソウ、トマトなどの野菜、牛乳、生クリーム、バターなどがもちいられる。小麦粉はパスタ専用種であるデュラムコムギのセモリナ粉(粒のあらい粉)が中心である。機械製パスタは生地を高圧でおしだして切断、乾燥させるが、この小麦粉は粘りがあるためおしだすのに適している。手打ちパスタの場合にはふつうの小麦粉ももちいられる。
パスタの調理は、まずたっぷりの沸騰した湯に塩(湯1リットルに大サジ1が目安)をくわえ、アル・デンテ(歯ごたえのよい状態)にゆでる。ゆでたてにソースをかけたり、いためたり、グラタンにするなど、多くの料理がある。
パスタにはさまざまな形のものがあるが、機械でつくる場合、おしだすときの口金の形をかえることで各種のパスタができる。次におもなパスタの名称と特徴をあげる。
| II. | スパゲティ |
細い棒状のパスタ。一般のスパゲティよりやや太く、2倍の長さのものはスパゲットーニ、そうめん状に細いものはベルミチェッリ(バーミセリ)、さらに細いものにスープ用のカペッリーニなどがある。
| III. | マカロニ |
管状のパスタ。太いもの、細いもの、長いロング・マカロニ、短いカット・マカロニ、表面に筋のあるものなどがある。短くて湾曲したものはエルボー・マカロニという。
| IV. | アルファベティーニ |
アルファベット形をした、スープ用の小さなパスタ。スープの浮き実にしたり、豆や野菜といっしょに煮込んで実だくさんのスープにしたりする。このほか、スープ用のパスタには星形、粒状、菱形(ひしがた)などたのしい形のものがいろいろある。
| V. | エリケ |
らせん形をしたパスタ。ツイストともいう。エリケはイタリア語で「プロペラ」という意味。巻きのきついフッジリもいろいろな料理によくつかわれる。
| VI. | カネロニ |
1辺が10cmぐらいの四角い生地に、いろいろな具をのせ、太い管状にまいたもの。焼き皿にならべて、トマトソースやホワイトソースをかけて、オーブンで焼く。
| VII. | コンキリエ |
貝殻状のパスタ。シェルともいう。スープの浮き実用から中にフィリングをつめるものまでいろいろな大きさがある。くぼみの中にソースがはいりこむため、ミートソースなどボリュームのあるソースとあわせて食べることが多い。コンキリエのほかにもくぼみのあるパスタには、ルーマケとよばれるカタツムリ形のものや、イタリア語で小さい耳を意味するオレキエッテなどがある。また、蝶(ちょう)の形をしたファルファッレは、フィオッキともよばれる。生地にトマトやホウレンソウをまぜこんだ色鮮やかなものもあり、口当たりだけでなく、見た目もたのしめる。
| VIII. | タリアテッレ |
細長い帯状の手打ちパスタ。幅は8mmぐらいで、日本のきしめんに似ている。ボローニャの名物パスタのひとつ。ボロネーズソース(ミートソース)をからめて食べる。ほかに、帯状のパスタとしてフェットチーネもよく知られている。タリアテッレよりも幅がやや細く、クリーム系のソースと相性がよい。
| IX. | ペンネ |
太くて短い管状のパスタで、切り口が斜めのペン先状になっている。表面が滑らかなものと、筋のはいったものがある。ゆでてソースと和えて(→ 和える)食べるのが一般的だが、形の大きいものはオーブン料理にもあう。
| X. | ラザーニャ |
幅広の板状のパスタ。パスタと挽き肉や野菜のソースを交互に重ね、オーブンで焼く。ホウレンソウ入りはラザーニャ・ベルディという。
| XI. | ラビオリ |
2枚のうすいパスタ生地の間に挽き肉などをはさんで四角形にカットしたもの。詰め物入りパスタの代表。円形状に切りぬき、具をつめて半分にたたんだものはアニョロッティとよばれる。ゆでて、おろしチーズやトマトソースで和える。
| XII. | カッペレッティ |
正方形の生地にフィリング(詰め物)をいれて、帽子状の形におりこんだパスタ。フィリングには野菜や挽(ひ)き肉、チーズ、卵などがもちいられる。ボローニャ地方でよく食べられるトルッテリーニは、カッペレッティよりもやや大きな帽子状の形をしており、正方形のほか円形の生地もつかわれる。
→ イタリア料理