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哲学という言葉は、明治初期の西周によって、英語のphilosophyの訳語として造語された。語源のギリシャ語philosophiaの原義は「知(sophia)への愛(philia)」である。
古代ギリシャにおいて、この言葉ははじめ、処世知や世間知をもとめるという意味でつかわれた。現代でも哲学が世界観や人生観と同じ意味でつかわれるのはこのためである。のちに、実利や名誉からはなれて知恵を愛しもとめるという意味がでてきた。ここから、浮き世離れというニュアンスが哲学につきまとうことになる。「万物の根源的原理の探求」という西洋哲学の基本的な姿があらわれたのは、前7世紀ころである。
万物のうちどれを探求するかは、それぞれの時代によってちがってくる。たとえば古代ギリシャでは自然を、中世では神を、近代では人間的認識を主題にしたように、哲学には一定の探求領域がない。そして、探求にあたって論理的・合理的思考をもちいる哲学もあれば神秘的直観にうったえる哲学もあるなど、方法もまた千差万別である。
しかし事物の根源を探求するという姿勢はいずれの哲学にも共通している。したがって、西洋以外の地域の思想や宗教に「哲学」という名称が類比的につかわれたり(たとえば「インド哲学」)、各学問の基本原理を探求する営みが哲学とよばれることもある(たとえば「法哲学」)。
ところが、こうした伝統的な哲学をいわば病気とみなし、それに対する治療として新しい哲学を考える立場が、反哲学というかたちで20世紀後半に登場した。現代の哲学は、「万物の根源的原理の探求」という旧来の自己理解を急速にかえようとしている。
なお各地域の哲学については、西洋哲学、イスラム哲学、インド哲学、中国哲学、などの各項目を参照。