核融合
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核融合
IV. 核融合実験の現状

核融合発電は、まだ実験炉以前の段階で、実験装置のいくつかで臨界プラズマ条件を達成したにすぎない。現在、核融合を実現するのに使用されている実験装置は、磁場閉じ込め方式と慣性閉じ込め方式の2種類に分類される。

磁場閉じ込め方式は、さらにドーナツ型の磁場(磁界)をつくるトーラス磁場方式(トカマク型、ヘリカル型、逆磁場ピンチ型)と直線型の磁場をつくるミラー磁場方式とに分類される。そして、数千度以上のプラズマを閉じ込めることができる容器は存在しないので、磁場閉じ込め方式では強い磁場を利用して真空の中に閉じ込めている。一方の慣性閉じ込め方式では、強力なレーザーを照射して燃料を瞬間的に加熱し、表面に発生するプラズマの膨張の反作用により中心部を圧縮する。

トカマク型は1950年代に旧ソ連のクルチャトフ研究所で開発され、以後の実験装置の主流となっている。イギリスにはEU(ヨーロッパ連合)9カ国が共同開発をすすめるJET(Joint European Torus)があり、83年から実験を開始している。日本では茨城県那珂町(現、那珂市)にある日本原子力研究所(現、日本原子力研究開発機構)のJT-60が85年(昭和60)に完成し、89~91年(平成元~3)には性能を大幅に向上させる改造(JT-60U)がおこなわれた。98年6月に、プラズマ温度1.9億°C、閉じ込め時間1.1秒という臨界プラズマ条件を達成している(重水素だけの実験で、半分をトリチウムと想定しての解析値)。ほかにも九州大学のTRIAM-1Mなどがある。

ヘリカル型は1950年代初頭にアメリカのプリンストン大学で研究がはじめられ、日本では岐阜県土岐市にある大学共同利用機関法人・自然科学研究機構(NINS:National Institutes of Natural Sciences)の核融合科学研究所(NIFS:National Institute for Fusion Science)に大型ヘリカル装置LHD(Large Helical Device)などがある。ミラー磁場方式は、70年代末に開発された改良型のタンデムミラー(複合ミラー)方式が主流となっていて、日本では筑波大学プラズマ研究センターのGAMMA10などがある。慣性閉じ込め方式(レーザー核融合)は、日本には大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの激光XII号や独立行政法人・産業技術総合研究所のSuper-ASHURAがある。