形相と質料
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形相と質料
II. 「椅子」と木材

一般に、物が「何からできているか」にこたえるのが質料、その物が「なんであるか」にこたえるのが形相と考えてよい。たとえば木の椅子(いす)については、その質料は木材で、形相が「椅子」である。石の椅子の場合は、質料は石だが、形相は同じく「椅子」である。材料はことなるが形が同じだからである。また、質料が同じでも形相がことなる場合もある。たとえば同じく石でできていても、椅子と石像と墓では形相がことなる。

このように形相と質料の結びつきは多種多様で偶然的であるが、アリストテレスによると、存在するすべての物にはかならず形相と質料がそなわっていなければならない。この考えには、プラトンのイデア説に対する批判がふくまれている。