| 茶事 | 項目ビュー | ||||
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| II. | 茶事の流れ |
11月初旬、立冬をむかえると茶室の「炉」を開く。このころ、春につんだ葉茶(新茶)を、茶壺(ちゃつぼ)の口封を切ってつかいはじめる。「口切(くちきり)」の時節とよび、その年の新茶のつかいはじめのこの時期が茶の湯の世界での正月とされ、露地の竹垣の竹を青竹にかえたり、茶室の畳をあらため、障子をはりかえるなどしてむかえる。
この「口切」「開炉(かいろ)」の時節の茶事は、正午に客を案内してはじめられる。正午から約4時間かけて、懐石、濃茶、薄茶の順で客をもてなすこの「炉・正午の茶事」がもっとも正式な茶事であり、茶事の基準となる型といえる。
季節の移り変わりでおこなわれる茶事としては、口切のほかに、冬の夕方から客をまねき、夜長をたのしむ「夜咄(よばなし)」、厳冬の夜明けをたのしむ「暁の茶」がある。また5月初旬に立夏をむかえ、炉から風炉にうつりかわる時期は「初風炉」の名で茶事がおこなわれる。さらに暑さのきびしい夏には、朝のすずしさをたのしむ「朝茶」がおこなわれる。秋も深くなり、10月におよべば、「名残の茶」の茶事がおこわれる。深まる秋の風情をあじわい、昨年来つかってきた茶壺の中の残り少ない葉茶を、主客ともに感慨深くあじわう茶事である。茶の世界の歳末にあたる時期で、もっとも「侘(わ)びの心」が感じられる時期の茶事である。
また、1日の流れの中で正午より1時間はやくはじめ、先に濃茶をすすめ、あとで懐石をもてなす「前茶」、不意におとずれた客を茶事の形式でもてなす「不時の茶」などがあり、「正午」をふくめたこれらの茶事は炉、風炉の時節に関係なく、1年じゅうおこなわれる。