| 検索ビュー | リサイクル | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
リサイクルとは廃棄物を再利用することで省資源、省エネルギーをはかり、また生活環境の汚染を防止することである。これまでの材料開発や商品開発が大量の廃棄物を発生させ、環境に多大な影響をあたえてきたことへの反省から生まれた。
| II. | 市民運動とリサイクル |
リサイクル運動は第1次石油ショック(→ 石油危機)による使い捨て消費の見直しに端を発した。1984年(昭和59)10月には全国組織として「日本リサイクル運動市民の会」が発足し、リサイクルショップの経営や機関紙の発行をおこなってきた。こうした市民運動とともに、東京都などの地方自治体および企業が、缶、ビン、古紙などの分別収集に力をいれはじめた。また91年(平成3)、97年、2000年と廃棄物処理法が抜本的に改正され、行政レベルでも廃棄物の減量化、再生の推進に、より力をいれはじめた。
| III. | リサイクルの基本法 |
現在は「ゴミの適正処分」という発想から、「発生から最終処分までをトータルに管理する」という方向へ移行しつつある。日本ではじめて本格的なリサイクル法が制定されたのは、1991年の「再生資源利用促進法」(正式名「再生資源の利用の促進に関する法律」)においてであった。この法律では、使用済みの製品を原材料にもどして再利用することが主眼におかれた。
同法は2000年5月に改正され、法律名が「資源有効利用促進法」(正式名「資源の有効な利用の促進に関する法律」:2001年4月施行)にかわり、長期間使用できる製品を開発してゴミ自体をへらすこと(リデュース)と、部品そのものの再使用(リユース)をつけくわえた(従来のリサイクルとあわせて3Rともいう)。つまり、ゴミの発生を抑制することから、再使用および再利用まで、トータルに義務づけるものにかわったのである。
同法は、個別のリサイクル法とはちがって、多業種・多品目を対象に横断的に3R対策を講じていること、また個別リサイクル法が製造業者、自治体、小売業者、住民などそれぞれに責任を分担させているのに対し、製造業者にのみ責任を義務づけている点に特徴がある。
たとえば、デスクトップ型やノートブック型などの家庭系パソコンは、この法律にもとづき、2003年10月から回収とリサイクルがおこなわれている。パソコン製造業者や輸入業者は、回収拠点をもうけ、家庭から出た使用済みパソコンをひきとるとともに、リサイクル処理する義務をおっている。リサイクル費用については、制度実施以後は製品価格にふくめられている(PCリサイクルマーク付)。家電リサイクル法とはことなり販売店に引取義務はなく、消費者自身がメーカーに連絡し、おくられてくる「ゆうパック」伝票で各メーカーのリサイクル工場に発送する。
資源有効利用促進法が制定された同じ2000年5月に、「循環型社会形成推進基本法」が制定され、容器や家電、建築資材などの個別のリサイクル法や、上記の廃棄物処理法をつらぬく基本理念がさだめられた。そこでは、大量廃棄社会から循環型社会への転換がかかげられ、国が循環型社会形成推進基本計画を策定することがもりこまれた。
| IV. | 個別のリサイクル法 |
| 1. | 容器包装リサイクル法 |
容器包装リサイクル法は1995年6月に成立し、2000年4月1日に完全施行された。正式名は「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」。ビン、缶、紙、プラスチックなど包装につかわれるすべての包装廃棄物を対象に、容器包装業者や容器をつかう製造業者にリサイクルを義務づけた。
都道府県、市町村はこの法律にしたがって分別収集を実施し、消費者は自治体がさだめる基準にしたがって分別して廃棄物を出す。業務用の廃棄物は、廃棄業者が手数料を負担する。
同法は、さらにすすんで、容器包装の排出そのものを抑制するために、2006年6月に改正され(施行は2007年4月)、レジ袋など容器包装の使用量が多い業者に毎年国への報告を義務づけ、取り組みがいちじるしくふじゅうぶんな場合は、勧告、公表、命令などの行政処分をおこなうことなどをさだめた。
| 2. | 家電リサイクル法 |
家電リサイクル法は1998年5月に成立し、2001年4月1日に完全施行された。正式名は「特定家庭用機器再商品化法」。冷蔵庫、エアコン、洗濯機、ブラウン管テレビの4品目について、鉄、アルミ、ガラスなどの素材を再商品化することをメーカーに義務づけている。
その収集運搬費用、再商品化等にかかる費用は消費者が負担する。小売店が消費者から出される古い製品を指定引き取り場所にはこび、家電メーカーがプラントで素材を分別、再商品化する。制度の定着にともなって、対象品目の拡大や、不法投棄をふせぐために費用を製品価格にふくめる前払い方式が検討されている。
| 3. | 建築資材リサイクル法 |
2000年5月に制定(2002年5月に完全施行)された法律で、正式名は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」。特定の建設資材について、その分別解体と再資源化を促進するための法律で、解体工事業者の登録制などを実施することによって、再生資源のじゅうぶんな利用と廃棄物の減量をはかろうとするものである。
住宅の解体なら延べ床面積80m²以上というように、一定規模以上の工事をする場合、コンクリート、鉄、アスファルト、木材を分別しなければならない。また、国や地方公共団体には、こうした特定建設資材廃棄物を再資源化するための施設の適正な配置を義務づけている。
| 4. | 食品リサイクル法 |
2000年5月に制定(翌年5月施行)されたもので、正式名は「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」。一定規模以上の食品関連事業者に、有用な食品廃棄物の一定の割合を肥料や飼料などの原材料として利用すること、あるいはそのために譲渡することを義務づけている。また、脱水、乾燥などにより、食品廃棄物を減少させることも義務づけている。
| 5. | グリーン製品利用促進法 |
2000年5月に制定(2001年1月施行、4月全面施行)されたもので、正式名は「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法とも略称される)。国や独立行政法人、地方公共団体が、再生資源や環境への負荷の低減に役だつ製品を調達することを義務づけ、またその方向への需要の転換を促進する事項をさだめることをもりこんでいる。
| 6. | 自動車リサイクル法 |
2002年7月に制定され、部分的には同年10月に、完全には05年1月から施行された。正式名は「使用済自動車の再資源化等に関する法律」。使用済み自動車については、すでにエンジンや各種部品、車体の鉄などは再利用され、車体重量の80%程度はリサイクルされている。しかし、エアコンのフロンガス、起爆剤が入ったエアバッグは解体業者では処理がむずかしいこともあって、適正な処理がなされてこなかった。また破砕くず(シュレッダーダスト)は埋め立て処理がされていたが、廃棄量に処理がおいつかない状況になっていた。
同法では、これら3品目を、メーカーや輸入業者が解体業者から引き取り(買い取り)、処理することを義務づけている。破砕くずについては、独自開発の選別機で発泡ウレタンや繊維、金属類などを回収する方法や、ダイオキシンなどの有害物質の発生(→ ダイオキシン汚染)をおさえながらもやす新しい焼却炉での処理がおこなわれる。エアバッグやフロンガスの処理方法の研究も本格化し、いっそう解体しやすい設計、再資源化が容易な素材の導入もすすんでいる。
メーカーや輸入業者がひきとって最終処理する費用は、消費者の負担となる。家電リサイクル法とはことなり、前払いのかたちで、新車購入の際にその費用をしはらう。使用中の車については、車検前にしはらい、それをしないと車検をうけられない。支払い済みの中古車を購入した場合は、旧所有者に費用は返却され、新しい所有者が同額を負担する。費用は車種ごと、また装備内容によってもことなるが、乗用車は1台当たり8000~1万5000円となっている。あつめられた費用は公的法人(自動車リサイクル促進センター)が管理し、メーカーや輸入業者は廃車時にその費用をうけとって、処理費用にあてる。