| 老い | 項目ビュー | ||||
| 印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。 | |||||
| IV. | 老いの制度化 |
老いや老人というものが社会の中で数字に換算されたり、目にみえるようなかたちでいわれることがある。老人とは70歳からであるとしたり、白髪やしわができたら老人であるというように。確かにこれは、老いのひとつの物差しであるかもしれないが、老人といわれる人の中にも精神的に若い人がいたり、若者といわれる人でも老人のような人もいる。
とくに精神的な面では、自分はまだ老人ではないと思っている老人も多い。自分で自覚することで、老人は老人になる。また他人から老人というラベルをはられて、はじめてその人は老人になったことを知る。
たとえばそれは、社会的には子供が独立し、嫁や姑(しゅうとめ)などの関係ができること、また祖父母となること、配偶者の死などがあげられる。また施設や医療サービス、年金、介護などがうけられるということもあるだろう。
このような老いの表れは、老いが制度化される過程であるということもできる。まず、外からの老いの張り付け、すなわち老いの外在化がおこなわれる。次に制度への老いの結晶化、ないし老いの客体化がなされ、そして、強いられた老いが自分の主観的意識へ再繰り込みされていくのである。