| 都市問題 | 項目ビュー | ||||
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| II. | 都市問題の歴史 |
都市問題は、都市ができて以来あった。たとえば、古代ローマでは道路をいきかう馬車や馬が急増したために、昼間の通行を禁止して夜間通行とした。すると今度は、夜間の騒音で市民が睡眠不足になり苦情が殺到したという。都市の発生と都市と農村の関係に関する論争は活発で、今後考古学的な発見によりますます盛んになると思われる。
これまで都市問題というと、近代都市を中心にとりあげることが多く、産業革命により登場した近代工業都市がかつてない問題を生みだしたことも事実である。したがって、都市問題は当時の労働者問題、たとえば劣悪な労働条件、不衛生な職場、生活環境、そしてそこから生ずる家庭崩壊、アルコール依存症などの個人の崩壊などが問題にされた。
しかし、都市問題は都市という空間に生じた問題であり、全面的に階級問題に還元できないことは今では明らかである。従来、マルクス主義(→ 共産主義)を中心とする社会主義理論では、都市問題は階級問題であるとの認識が一般的であったが、こうした「還元論」がもはや無効であることは、現在ではだれの目にも明らかである。都市と農村の違いの本質についてはさまざまな理論があるが、重要な点は都市は農村にくらべて一般に人口が稠密(ちゅうみつ)であることである。ほかのさまざまな相違よりも、まずこの違いを原点におかなくてはならない。