都市問題
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都市問題
IV. モータリゼーションと都市

欧米のみならず日本、そしていまや開発途上国においても、都市がかかえる最大の問題のひとつが交通問題である。とくにモータリゼーションは都市に深刻な問題をなげかけているが、もはや都市は道路や駐車場など車のための円形劇場と化している観がある。自動車による交通事故の犠牲は、世界で毎年25万人の死者をかぞえ、その数十倍の負傷者をだしており、日本だけでも第2次世界大戦から今日まで約60万人の死者がでている。これほど死が日常的で身近な存在となっても、人は車にのることをやめない。車のために膨大な面積をつかって道路と駐車場にさく都市は、人々が自由にふれあい、コミュニケーションができるチャンスを放棄しているといってもいい。

大都市が車を制限することは、きわめて困難である。一つには、都市が車による人と物の流れのネットワークの拠点になっているからであり、これを制限することは血液の流れを阻止するようなものだからである。かつての都市と農村という単純な2分法は、もはや通用しなくなっている。都市に生まれた自動車は農村のすみずみまではいりこみ、ネットワークにくりこんでいる。