茶室
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茶室
III. 茶室の構成
1. 間取り

茶室の草庵化がすすむ中で、中柱と袖壁(そでかべ)によって点前座(てまえざ)を客座から半ばへだてる台目(だいめ:大目)構えが考案された。このような構えのもっともはやい例は、利休が大坂屋敷にもうけた深三畳台目の茶室で、中柱と下までのびた袖壁とで点前座と客座がへだてられていた。のちには袖壁の下方は吹き抜きにすることが多くなる。台目構えは、主客の同座を原則とするわび茶の空間に、客座敷に対する茶立所の機能をくみいれたものとみることができ、新しい草庵茶室の展開とみることができる。

草庵茶室は、四畳半以下から一畳台目までの広さの中で、炉の切り方や床の配置などの組み合わせによって多様な間取りが構成される。

茶の湯では、四畳半以上を「広間」、四畳半以下を「小間(こま)」とよび、広間は書院の茶、小間は草庵の茶(わび茶)の世界である。四畳半は広間、小間の両方をかねた茶室である。敷きつめられた畳には、それぞれに役割がきめられているが、点前座と客座が構成の基本となる。点前座は一畳か台目畳(一畳の4分の3の長さ)にかぎられる。板畳をもちいて微妙な広さを演出することもある。

茶室には炉が切られ、客座と点前座をつなぐ役割をはたす。炉の切り方には、点前座の中に切る入炉(いりろ)と点前座にそって外に切る出炉(でろ)があり、入炉には向炉(むこうろ)と隅炉(すみろ)、出炉には四畳半切りと台目切りがある。

2.

茶室には床をもうけるのが原則であり、床柱と床框(とこかまち)、落掛(おとしがけ)による上段の形式を基本とする。古くは張りつけの一間床がたてまえとされたが、茶室の草体化とともに、小間では台目床、四尺床が通例となり、張りつけも土壁になるなど、さまざまな形式が創出された。上段形式をとらない踏込床や、さらに簡略な壁床もある。

3. 出入口

出入口は、客側と亭主側にそれぞれわかれる。草庵茶室では、客の入り口に躙口をもうけるのが特色である。躙口の大きさは、幅2.1尺(約64cm)、高さ2.2尺(約67cm)ほどを標準とする。また開放感をもとめる座敷では腰障子二本立ての貴人口(きにんぐち)とすることもあり、躙口と併用することもある。亭主側の出入口には、点前のために出入りする茶道口と、客座への給仕のために出入りする給仕口があり、間取りによっては2つが共用される。茶道口は通例は鴨居に襖をはめた方立口(ほうだてぐち)であるが、開口上部の土壁を櫛形(くしがた)にぬりまわし、ふちに和紙をはった花灯口(かとうぐち)でもよい。給仕口は花灯口で、利休の大坂深三畳台目がはやい例である。

4.

窓の形式には、土壁をぬりのこしてあける下地窓(したじまど)、竹の連子(れんじ)を打った連子窓、化粧屋根裏にあける突上窓(つきあげまど)がある。茶の湯に精神性を強くもとめた利休は窓の数を抑制したが、有楽斎、織部、遠州らは窓を多く開け、変化にとんだ室内意匠の効果とくつろいだ雰囲気を演出した。また点前座の風炉先窓(ふろさきまど)、床脇(とこわき)の墨跡窓(ぼくせきまど)、墨跡窓に花入をかける工夫をした花明窓(はなあかりまど)など、役窓ともういうべき窓もある。茶室が土壁仕上げになったことにより、窓の大きさや位置を自由にきめることが可能となった。

5. 水屋

茶室には、茶の湯の準備をするための勝手、水屋が必要不可欠である。水屋には流しをもうけ、その上に諸道具をならべる棚と物入れからなる水屋棚などをそなえる。