一遍上人絵伝
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
一遍上人絵伝
I. プロローグ

鎌倉時代中期の僧で、時宗の開祖とされる一遍上人の伝記を描いた絵巻。一遍は信濃善光寺に参籠(さんろう)するなど修行を重ね、念仏往生をさとり、俗縁の同行者と四天王寺、高野山、熊野などをめぐって、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)、決定(けつじょう)往生六十万人」としるした算(ふだ)をくばる賦算(ふさん)をはじめる。そして各地の村落や市場などで踊念仏を広め、兵庫和田崎の観音堂で没した。

一遍の伝記絵は、没後間もなく制作されはじめたが、時宗教団の発展にともない数多くの絵巻がつくられ、現在、多くの遺品がつたわっている。これを大別すると聖戒(しょうかい)編「一遍聖絵(ひじりえ)」と宗俊(そうしゅん)編「遊行(ゆぎょう)上人縁起絵巻」(「一遍上人縁起絵」ともいう)の系譜にわけることができる。