| 浄土教美術 | 項目ビュー | ||||
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| I. | プロローグ |
浄土思想のもとに造形された美術またはその総称。大乗仏教はさまざまな仏と菩薩を生みだしたが、同時にそれぞれの仏菩薩がすむ理想郷としての仏国土すなわち浄土がわれわれのすむ世界から遠くはなれた地にあるとされ、浄土への往生がすすめられた。有名な浄土を以下にあげると、阿弥陀—極楽浄土、釈迦—霊鷲山(りょうじゅせん)浄土、阿閦(あしゅく)—妙喜(みょうき)浄土、薬師—瑠璃光(るりこう)浄土、弥勒—兜率天(とそつてん)浄土、観音—補陀落(ふだらく)浄土などがあり、諸々の経典にその情景が説かれている。なかでも浄土といえば極楽をさすほど、阿弥陀如来の仏国土は浄土の代表であり、浄土教美術といえば阿弥陀如来のそれに関するものが大部分を占める。
阿弥陀の浄土を説く経典としては「無量寿経」、「阿弥陀経」、「観無量寿経」の浄土三部経が基本となる。前2者はインドで成立したと考えられるが、後者は中国で撰述された可能性が高い。浄土教はとくに中国と日本に浸透し、数多くの美術作品が現在につたえられる。浄土教美術のうち、浄土の光景を図示したものを浄土変相図もしくは単に浄土変とよぶ。