電荷
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
電荷
IV. 分極電荷

一方、電子とイオンに分離するのではなく、原子や分子の中にある電気的な偏りがそろって同じ方向をむくことによってマクロな電荷としてあらわれるのが、分極電荷である。全体としてみれば中性である分子の内部も、複数の原子が結合しているため、電子の分布には偏りがあり、正に帯電している部分と負に帯電している部分とがある。このように分子内の正負の電荷分布にずれがあると、分子は正極と負極をもっているように考えられ、これを電気双極子という。

ふつうは電気双極子の向きはバラバラでそろっていないので、たがいにうちけしあい、ミクロには電荷分布に偏りがあってもマクロには電荷はあらわれない。しかし、電場の中におくと、多数の双極子が電場に反応して同一の方向をむく。すると、物質内部では電気双極子が交互につらなるのでやはりうちけしあうのだが、物質の表面ではマクロな電荷があらわれる。これを分極電荷という。分子だけでなく原子でも、電場内では電荷分布に偏りが生じ、同様に分極電荷がみられる。分極電荷は、原子もしくは分子から分離した電子やイオンによって構成されているわけではないので、物質からとりだすことはできない。