生態系
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生態系
II. 生態系とは

生態系の定義の「ある地域」をすべて具体的にしめすことは不可能である。それほど地球上の生態系は多様性にとんでいる。

1. 地球という生態系

ツンドラや温帯落葉樹林(森林)、熱帯雨林などは、それぞれが独自の生態系をなしているが、ほかのすべてのタイプの森林、つまりサバナや熱帯季節林、熱帯低木林などと一括して森林生態系とされる。

さらに砂漠や淡水湿地(湿地帯)、島など、ほかの地上の生態系とともに大きくくくって陸上生態系とし、海洋生態系と対比されることもある。

重要なことは、それぞれ独自性をもつ個別の生態系も相互に影響をあたえあっていることである。陸上生態系と海洋生態系をあわせれば、地球生態系という一つの大きな生態系となるのである。

一方、生態系は細分化も可能である。たとえば熱帯雨林の林冠部生態系、沿岸の潮だまり生態系というように。また生態系と生態系の接点に成立する生態系もある。たとえばマングローブは林生態系であり、同時に潮間帯にも生態系は成立する。

生態系と生態系とは、はっきり境界でわけられないことが多い。たとえば湿原生態系は、集水域の森林生態系をふくめて成立しているからである。

2. 自然生態系

各生態系の中では、植物と動物、あるいは動物と動物が、水や空気(大気)、土壌などと密接にかかわりながら、直接あるいは間接的なつながりをもって生きている。端的には食物網あるいは食物連鎖をとおして、生態系がエネルギーを伝達し、栄養物質をつかい、栄養循環させる機能をはたしていることが明らかにされている。

生態系は循環システムであり、植物が光合成によって太陽の光エネルギーから有機物を生産することが基点にあるので、植物は生産者とよばれる。また動物は消費者、微生物は分解者として、循環システムの各段階でそれぞれの役割をになっている。これが自然生態系である。

自然生態系の中で、それぞれの生物種は特定の地位を占めており、これを生態的地位(ニッチ)という。ヒトは生態系からぬけだしたという説もあるが、これはヒトの生態的地位が生態系からはみだしてしまったとみているわけである。

ここでは、主要な生態系についてのみ概略的に解説する。生態系の機能については「生態学」参照。