| 検索ビュー | 酸化鉄 | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
酸化鉄には、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、四酸化三鉄がある。
| II. | 酸化鉄(II) |
酸化第一鉄、あるいは一酸化鉄ともいい、黒色で発火性の立方晶系の粉末。天然に鉱物としては存在しない。酸化鉄(III)を水素か一酸化炭素で還元するか、シュウ酸鉄を空気をたって加熱してえられる。空気中で容易に酸化(→ 酸化と還元)され、酸化鉄(III)となる。強塩基であり、酸(→ 酸と塩基)にとける。水素をながして加熱すると純鉄になる。
化学式FeO、式量71.85、密度5.7g/cm³、融点1368°C。
| III. | 酸化鉄(III) |
酸化第二鉄、あるいは三酸化二鉄ともいい、天然には赤鉄鉱として産出し、製鉄の鉄鉱石ではもっとも重要なものである。地球上の多彩な色の岩層は赤鉄鉱によるもので、火星の赤色もおそらく同じ酸化鉄(III)のためと考えられている。
鉄鉱石の一種でレッドオーカーとよばれるものや、微細な粉末状のものは、べんがら(弁柄または紅殻とも書かれる)、代赭(たいしゃ)、インディアンレッド、血朱、鉄朱、鉄丹などとよばれ、石器時代から顔料としてつかわれてきた。ちなみにべんがらという言葉はインドのベンガル地方からきている。顔料のほかにはガラス、特に望遠鏡のレンズや反射鏡、ブロックゲージ、弁などの仕上げの精密な研磨につかわれる。また、ゴム、ペンキ、紙、セラミック、ガラスに混入する顔料、貴金属、ダイヤモンドの研磨剤、半導体、磁気テープ、フェライト磁心や永久磁石の原料につかわれる。工業的には、硫化鉱の焙焼(ばいしょう)で製造する。赤熱しても安定であるが、1300°C付近で分解がはじまり、四酸化三鉄になる。
化学式Fe2O3、式量159.69、密度5.1~5.2g/cm³、モース硬度5.5~6.5、融点1565°C。
| IV. | 四酸化三鉄 |
四三酸化鉄、酸化鉄(III)鉄(II)ともいう。天然には磁鉄鉱として産出する。実験的には、酸化鉄(III)に水蒸気をふくむ水素を反応させて還元する。一度融解して固化したものは、酸におかされにくい黒色で立方晶系の結晶性粉末で強磁性。
黒皮といって、刃物の腐食防止に表面に析出させるほか、単体で、研磨剤、顔料、触媒として利用される。
化学式Fe3O4、式量231.54、密度5.2g/cm³、モース硬度5.5~6.5、融点1538°C。