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| I. | プロローグ |
電気機械などで、外界の物理現象やさまざまな量、物体の状態や性質などを検知して電気信号などに変換する素子を総称してセンサーという。
温度計や気圧計などの計測器具とはことなり、たんに物理量や状態を計測して表示するだけでなく、検知した情報を電気信号などに変換して、次の制御をおこなうことが前提になっている場合が多い。
オートメーションなどで、かつてはある物理量を電気信号などに変換するものをトランスデューサー(変換器)、検出器のことをディテクターといっていたが、情報処理システムの一部をになっていることから、まとめてセンサーということが多くなった。
| II. | センサーエレメント |
センサーの心臓部にあたる変換素子のことをセンサーエレメントといい、半導体、圧電素子、磁気ヘッド、コイル、熱電対、セラミック素子などが多くつかわれているが、物理量の変化に対応して情報をとりだせる材料なら、すべて利用することができる。
| III. | 光センサー |
光を対象とするセンサーには、光があたると電気的な特性が変化する材料がつかわれる。種類としては、光によって電気抵抗が変化するもの、光によって起電力を発生するもの、光によって電子を放出するものなどがある。
光の有無だけを検出するものから、画像全体をとらえるイメージセンサーまであり、小型のビデオカメラや電子カメラにくみこまれているCCDやコンピューターのマウスにはいっているフォトトランジスターなどがある。可視光だけでなく、赤外線や紫外線を感知するものもある。
| IV. | 温度センサー |
温度の測定には、計測の方法によって接触式と非接触式とがある。接触式のセンサーエレメントとしては、熱電対やサーミスターがつかわれることが多い。
サーミスターというのは、Thermally Sensitive Resistorを略したもので、温度の変化とともに電気抵抗が変化する素子である。
センサーエレメントの材料としては、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン酸バリウム、酸化バナジウムなどがつかわれる。日常生活では、電子体温計などに、サーミスターがくみこまれている。
非接触式は、対象物から放射される熱線を、光学系をつかって計測するもので、0~2000°C程度まで広範囲にわたって測定できるが、装置が複雑で値段が高い。
| V. | 歪みゲージ |
歪(ひず)みゲージというのは、材料に発生している応力を測定するために、弾性変形(→ 塑性と弾性)の量を測定するセンサーである。これは、プラスチックのうすいフィルムに、半導体や金属の細い線か箔をしっかりと接着したものである。フィルムがのびると、接着されている材料にも伸びを生じ電気抵抗が変化する。軸や板などの弾性体に接着剤ではりつけて、電気抵抗の変化から歪みを測定する。金属材料としては、延性にとみ、電気抵抗の変化が測定しやすい銅とニッケルの合金箔をつかうものが多いが、半導体をつかうもののほうが、測定感度は高くなる。
材料の歪みだけでなく、圧力のセンサーエレメントや重量の測定用として、いわゆる電子秤(はかり)にも利用される。
| VI. | バイオセンサー |
生体物質がもつ分子の識別機能を利用して、化学物質を測定するセンサーのことをバイオセンサーという。グルコースなどを検出する酵素センサー(→ 酵素)、BOD(→ CODとBOD)などの測定につかう微生物センサー、ホルモンなど微量の生化学物質を測定する免疫センサーなどがある。
| VII. | インテリジェントセンサー |
知能化センサーとかスマートセンサーとよばれることもある。センサーエレメントとA-D変換素子(アナログ信号をデジタル信号にする部品)、コンピューターのCPUに相当する素子をまとめて1個の集積回路にしたもので、最初はNASAが、宇宙飛行での情報処理用として開発したものである。
有人宇宙飛行などでは、宇宙船内のさまざまな物理量をセンサーでとらえて、地上のコントロールセンターに送信してくるが、多数ある個別のセンサーが送信する信号は、全体としては膨大な量になり、地上にある大型コンピューターの負荷が増大して、必要な情報をえるまでの時間がかかるようになってしまう。こうした問題の解決策として、センサーの信号をそのまま送信するのではなく、一度情報処理してから送信するという発想から、インテリジェントセンサーが生まれた。コンピューターシステムでいう、分散処理にあたる方法である。
航空宇宙関係ばかりでなく、製造装置などにさまざまなものがくみこまれている。