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構造用鋼
I. プロローグ

構造用鋼というのは、自動車、建築、橋、船舶、鉄道、ボイラー、一般機械設備そのほかの各種機械構造部品に使用される、炭素の含有量が0.05~0.6%程度の鋼材を総称していう。日本の普通鋼では需要の大半を占める。形状には棒鋼、形鋼、厚板、薄板などがある。JISでは材質によって一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼材、ボイラー用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材などに分類される。

II. 一般構造用圧延鋼材

構造用鋼のうちでもっとも需要が多く、一般的な鋼材である。とくに重要な機械的強度や耐久性を要求されることのない部分に、熱処理せずに圧延したまま利用される。

リムド鋼をつかうことが多く、形状は厚板、棒鋼、形鋼が主体。化学成分については炭素量の規定はないが、ほぼ0.30%以内で、リン、硫黄を0.05%以下に制限している。JISの記号はSSで、最低の引張強度をN/mm²でしめして、SS330のように表示する。

III. 機械構造用炭素鋼材

ボルト、キー、軸などの機械構造部品にもちいられる高級炭素鋼の一種で、炭素鋼であるが特殊鋼に分類される鋼材だが、性質は特殊鋼と普通鋼の中間である。平均的炭素量をしめす数字を小数点以下2桁(けた)でしめし、SとCではさんでSC材とよばれる。キルド鋼で、鍛練成形比4以上に圧延または鍛造できるという条件がある。鍛練成形比というのは、鋼材を鍛造していくときに、加工する前の断面積をAとし、加工後の断面積をaとしてA/aであらわされる数値である。

化学成分は不純物がリン0.03%以下、硫黄0.035%以下であることが条件として規定されている。鍛造、切削などの加工と熱処理をおこない、機械構造用にも利用されることが普通鋼との大きな相違である。

IV. ボイラー用圧延鋼材

陸上や船舶などのボイラーや熱交換器につかわれる鋼材のこと。耐熱性と耐圧性が要求されるため、化学成分、機械的特性が厳格に規定されている。そのため電気炉によって製造されたキルド鋼に限定される。

棒鋼や形鋼については炭素量を規定しないが、厚板についてはボイラーの母材であり炭素量以外にもケイ素およびマンガンの量を規定し、リンは0.04%以下、硫黄は0.05%以下に制限される。

V. 溶接構造用圧延鋼材

構造用鋼のうちでとくに溶接しやすく溶接したときの強度が高い鋼材。電気炉で製造されたキルド鋼であり、溶接性と引張強さの2つの性質が要求されることから、マンガンに対する炭素の比率が規定されている。JISではSMという記号でしめされ、1種から5種まで規定されている。全体の特徴としては、炭素が0.2%以下、ケイ素は0.55%以下、リンと硫黄はいずれも0.040%以下だが、マンガンは0.60~1.50%と比較的高い。これは、溶接作業中に酸素の侵入がさけられないため、脱酸をおこなうためである。

VI. そのほかの構造用鋼

一般的な分類とともに、特定の用途を目的とした、自動車構造用熱間圧延鋼材(記号はSAPH熱間圧延)、低温圧力容器用炭素鋼板(記号はSLA)、溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(記号はSMA)など多くの種類がある。