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II. 炭利用の歴史

炭は、日本では縄文時代(縄文文化)の終わりごろには存在したとされ、古くから鉄や銅などの金属精錬や鍛冶屋などで産業用の燃料として利用された。一方、平安時代には文献にも登場し、貴族や上層の武士には暖房用としてもつかわれていた。しかし、これが一般家庭に燃料としてはいってくるのは、近世中期以降のこととされる。また、茶道(茶の湯)が普及すると炭質、炭色、火色などが問題とされ、炭は芸道の重要な一要素にもなった。

炭質の向上と同時に、炭の消費量も近世都市の繁栄とともに増加していったが、農村などでは無煙の燃料の使用は養蚕や製茶(チャ)にかぎられ、こたつにも消炭を利用していた。また、明治の前半までは冷害や凶作にくるしむ東北地方などで炭焼き業が奨励され、岩手や北海道は最大の木炭生産地となった。その後、石炭が木炭にかわって産業用燃料となると、練炭や炭団(たどん)などの家庭用の便利な燃料が発明され、炭の生産量自体は増加したが、その重要性は相対的に低下していく。大正半ばには従来の木炭と砂鉄によるたたら製鉄も、コークスによる近代製鉄に完全にとってかわられた。