母屋と庇
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母屋と庇
II. 屋根の構造と母屋

三角形の屋根をのせる日本の木造建築では、屋根のもっとも高い部分である棟に棟木(むなぎ)、屋根の下方両端部の軒に桁(けた)という横材をとおし、この棟木と桁の間に斜め材の垂木(たるき)をのせて、その上に屋根面をつくった。そして、これらの棟木や桁をささえるために、地上に柱列をたてた。

もっとも単純な形は、棟木と屋根下両端部の2本の桁の位置にだけ柱列をもうけるものである。しかし、棟木の位置に柱列をもうけようとすると、建物の中央部に柱列がならぶことになり、内部空間が分断されてしまう。そこで、桁を支持する柱の間に梁(はり)をわたし、梁の上に束(つか)という短い柱をたてて、棟木を支持した。建物の外周には棟木を支持する柱がのこったが、内部の柱はこの方法で省略することができた。この結果、誕生したのが桁を支持する柱列と棟木を支持する2本の柱が建物の外周をめぐる形式で、これが母屋の出発点である。

古代の日本建築は、柱間という柱と柱の間隔の数で建物の規模を表現する。そのうち、梁のとおる方向を梁間(はりま)、桁の方向を桁行(けたゆき)という。この表現法でいうと、母屋は梁間2間、桁行n間という形式になる(例外的に、宮中紫宸殿のように梁間3間の母屋もある)。