母屋と庇
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母屋と庇
V. 寝殿造の母屋と庇

平安時代の寝殿造は、母屋と庇で構成される住宅の代表といえる。母屋の周囲に庇や孫庇を延長することにより、庇や孫庇を支持する柱列と拡大された床が内部空間の構成を区分する。また、寝殿造では、建具の位置が固定されず、部屋という室内空間も確立していなかったため、室名の代わりに母屋とか南庇といった表現で室内空間の場所を表示した。

母屋と庇からなる建物の規模は、母屋の桁行間数と庇がめぐっている面の数で表現された。たとえば、「5間4面」というのは、梁間2間桁行5間の母屋の東西南北4面に庇がもうけられた、4間 × 7間の建物をさす。この表現法は「間面記法」とよばれ、平安時代には住宅だけでなく寺院建築の規模をあらわすのにも利用された。