衛星放送
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衛星放送
III. 日本の衛星放送の歴史

衛星放送に使用する放送衛星の軌道位置とチャンネル数は、1977年(昭和52年)に開催された世界無線通信主管庁会議(WARC)において決定された。この会議では、南北アメリカをのぞいた世界各国の軌道位置とチャンネル数がきめられたが、赤道上空の静止軌道を使用するにあたっては、赤道直下の国々から将来の利用のための余地をのこすことがもとめられ、原則として各国に1つの軌道と5チャンネルが配分された。ヨーロッパ各国はこれにしたがったが、広い国土面積をもつ国では複数の軌道と多くのチャンネルが配分され、日本も地形的な観点から多くのチャンネルを要求し、東経110度の軌道位置と、1、3、5、7、9、11、13、15の計8チャンネルが承認されている。この周波数割り当て計画は79年から発効し、15年間の放送衛星業務を実施することがさだめられた。

しかし日本では日本放送協会(NHK)やWOWOWなどの衛星放送が開始されたが、多くの国、とくに途上国では自力で衛星放送を実施することが困難なため、多くの周波数は利用されてこなかった。その一方で、通信衛星に対する需要の急速な高まりから、利用できる周波数の増加や見直しをもとめる声が高まっていた。そこで、WARCの後をひきついだWRC(World Radio Communication Conference:世界無線通信会議)では1997年(平成9年)の会議で、見直しを決定した。日本は既存の周波数を継続して使用することがみとめられたが、放送業界などからは1周波数で1つのチャンネルしか使用できないアナログ放送ではなく、効率よく多チャンネルで利用できるデジタル放送への移行をもとめる動きが活発化した。

日本における衛星放送の歴史は、まず放送衛星をつかったBS放送からはじまった。放送衛星は、国際的な取り決めにもとづき、衛星の位置がきめられている。さらにチャンネル数も割り当てがある。一方の通信衛星は、使用する電波の周波数に関して国際的な取り決めがあるが、衛星の軌道位置に関しては自由度が高くなっている。また日本国内に限定された放送衛星とちがい、通信衛星は国内から海外に発信することもできる。しかし、放送衛星と比較して小出力であることから、当初は受信のために大口径のパラボラアンテナが必要だったが、デジタル化されたことでアンテナも小型化が可能となった。しかも、現在では、BSデジタル放送や東経110度CS放送も開始されており、両者の垣根はますます低いものとなっている。