衛星放送
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衛星放送
II. 衛星放送の仕組み

衛星放送の利点としては、電波をはるか上空からおくることで山や建築物などの障害物の影響をうけにくく、通信品質も均一化されるため、ゴースト(多重像)のない、きれいな映像をみることができる。また、基地局や中継施設を必要としないため、離島や山間部などでも受信が可能となる。さらに、1機の衛星で広範囲な地域に放送サービスを提供することが可能である。一方で、衛星の寿命は5~15年と短く、地上の通信設備も高額となる。

静止衛星は地上局からおくられてきた電波を受信し、トランスポンダーとよばれる衛星中継器で増幅して、地上におくりかえしている。契約世帯では、この衛星からの電波をパラボラアンテナというお椀形(わんがた)のアンテナで受信して視聴するようになっている。BS放送とCS放送は、基本的な原理は同じであるが、BS放送は、最初から多数の視聴者を相手とする放送を目的とした大出力の放送衛星(BS衛星)を利用しているのに対し、CS放送では本来は1対1の通信を目的とした小出力の通信衛星(CS衛星)を利用する。そのため、CS放送ではBS放送に先行してデジタル放送化に移行し、多チャンネル放送などを実現した。デジタル放送:デジタル衛星放送

1. ソフトとハードの分離

また、地上波放送とことなり、衛星放送では1989年(平成元年)には電波法と放送法が改正されたときに、ソフトウェア(放送コンテンツ)を提供する事業者と、そのためのハードウェアを提供する事業者とが分離された。これは、事業者のコスト負担を軽減することで、放送事業への新規参入をうながすことを目的にしたもので、BS放送では受託委託放送制度が採用され、CS放送では受託委託放送制度とともに電気通信役務利用放送制度が採用されている。

受託委託放送制度では、委託放送事業者とよばれる放送番組の制作および編集をおこなう事業者が、放送衛星を管理・運営する受託放送事業者に番組の放送を委託し、そのまま放送してもらう仕組みとなっている。

一方、電気通信役務利用放送制度では、放送番組の制作・編集をおこなう主体は電気通信役務利用放送事業者とよばれ、通信衛星を管理・運営する電気通信事業者から衛星中継器(トランスポンダー)を利用する電気通信役務の提供をうけて放送する仕組みとなっている。

それとは別に、各委託放送事業者がおくりだす番組を衛星にむけて送信(アップリンク)したり、視聴契約の申し込みをうけつけ、その後の顧客管理や料金の請求・集金をおこなうプラットホームとよばれる事業者もある。