| 合成樹脂 | 項目ビュー | ||||
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| II. | 開発の歴史 |
合成樹脂の先駆けをなすのは、ワタ(綿)や木材の繊維であるセルロースを元につくられた半合成樹脂のセルロイドで、1868年にアメリカのハイヤット兄弟によって発明された。アメリカの企業が賞金1万ドルをかけて、象牙製ビリヤード玉にかわる安価な人造新素材を募集、ハイヤット兄弟が賞金をねらって開発した。玩具(がんぐ)や文房具などに利用されたが、燃えやすいのが難点で、すぐれた合成樹脂が登場するとほとんど姿をけした。なお現在も卓球のボールやギターピックなどには使用されている。
1907年、アメリカのベークランドがフェノール樹脂の発明を特許出願、ベークライトの商品名で工業生産をはじめた。実質的にはこれが最初の合成樹脂といえる。主要な原料は石炭を乾留してできる石炭酸(フェノール)で、耐熱性や電気絶縁性(→ 絶縁体)にすぐれるため、電球のソケットやプラグ(→ コンセント)など電気製品向け材料として普及した。つづいて20年代になると、尿素樹脂が開発された。フェノール樹脂製品は着色性が悪く、黒か茶褐色であったのに対し、尿素樹脂は白く清潔なイメージがあり、食器類などに利用された。しかし尿素とホルマリン(→ ホルムアルデヒド)を反応させてつくったことから、製品を加熱するとホルマリンが微量にとけだすことがわかり、しだいに食器としては使用されなくなった。
1920~30年代に、高分子化学が新しい科学の分野として発展しはじめると、その理論的な裏付けをうけて、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル、アクリル樹脂といった新しい合成樹脂が次々と誕生。戦後の石油化学工業の成長にともない、ポリエチレンやポリプロピレンなどさらに新しい樹脂が開発され普及する。→化学工業の「高分子化学工業の発展」:プラスチックの「歴史」