合成樹脂
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
合成樹脂
III. 4大プラスチック

ポリエチレンは軽くやわらかで、ポリバケツや洗剤・シャンプーの容器、冷蔵庫用の密閉容器、ビールのコンテナなど、日常生活のさまざまな場面で利用されている。高温高圧下でつくる軟質の低密度ポリエチレンは、1939年にイギリスではじめて工業化された。53年にドイツの化学者であるカール・チーグラーが開発した触媒(チーグラー=ナッタ触媒)によって常温で合成可能な高密度ポリエチレンの生産が可能になり、生産量が飛躍的にのびるきっかけとなった。→ポリエチレンの「合成法の歴史」

ポリプロピレンは水より軽い素材で、浴用の桶(おけ)や洗面器、病院や学校の給食用食器としておなじみのほか、自動車のバンパー、梱包用(こんぽうよう)の紐(ひも)やロープとして使用されている。イタリアの化学者、ジュリオ・ナッタが1954年に合成に成功した。チーグラーとナッタは63年にノーベル化学賞を受賞している。

ポリ塩化ビニルは、1934年にドイツではじめて工業化された。薬品に強くさびないため、工場や水道の配管などに利用された。第2次世界大戦後に、ドイツの化学工場を見学した連合国の担当官が工場内で多数利用されていた塩ビ配管をみておどろいたといわれる。可塑剤(かそざい)という薬品をまぜることで硬度を自由にかえられるのが特徴。ビニル風呂敷(ふろしき)からレインコート、電線の被覆材(ひふくざい)、温室(ビニルハウス)用材料までさまざまな用途に使用されている。

ポリスチレンも1930年にドイツで工業化された。射出成型によってさまざまな形の製品がつくられ、ラジオのキャビネットなどに利用された。ただポリスチレン系の樹脂が家電製品のキャビネットなどとして広く普及するのは、54年にアメリカでポリスチレンをゴムと結合させ耐衝撃性をます改良に成功したABS樹脂が登場してからのことである。アクリロニトリル(ポリアクリロニトリル)、ブタジエン、スチレンの頭文字をとったこのABS樹脂は、丈夫で加工性が高いことから電気製品の部品に広く採用されている。