化学繊維
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化学繊維
III. 再生繊維

再生繊維は天然繊維をいったん化学的にとかし、繊維がとけた溶液から紡糸する。大まかに分類して、植物の細胞壁の主要成分であるセルロース(繊維素)を原料にするセルロース系と、牛乳やトウモロコシなどのタンパク質を原料につかうタンパク質系の再生繊維がある。

商業生産された最初の化学繊維であるレーヨンはセルロース系の再生繊維である。1864年にフランスのシャルドンネ伯がニトロセルロースを原料に糸(硝化法レーヨン)の製造に成功、89年のパリ万博に「シャルドンネの糸」として出品した。ただニトロセルロースはワタ(綿)に硝酸を作用させた火薬原料であるため、きわめてもえやすく、衣料品への応用はできなかった。92年に英国のクロス、ビバン、ビードルの3人が発明したビスコースレーヨンは、木材パルプを原料にし、パルプ中の天然セルロースを化学的にとりだし繊維状に再生した。吸湿・吸水性にすぐれ、いろいろな染料によく染まるのが特徴で、衣服やカーテンといったインテリアなどに使用されている。

レーヨンの仲間にはキュプラがある。綿花の種子のまわりにある短繊維(コットンリンター)を原料とし、銅アンモニア法とよばれる製法で再生した。1918年にドイツのベンベルグ社が良質なキュプラの商品化に成功したため、「ベンベルグ」(商品名)とよばれることもある。細い糸ができ、やわらかい感触がある婦人服や和服などに使用される。銅アンモニアレーヨン