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| II. | 共有結合における電気的な偏り |
鉄原子Feや酸素原子O、窒素原子N、塩素原子Clなどのように電気陰性度の大きな原子と水素原子Hがつくる共有結合では、共有電子対は電気陰性度の大きな原子に引きつけられ、部分的にイオン結合性を帯びることになる。たとえば、塩酸分子HClでは、塩素原子Clは水素原子Hにくらべて共有電子対を引きよせる力が強いため、水素原子は電子の分布が少なくなり、いくぶんか正(+)電荷を帯びるようになる。このときの状態をあらわすために、微少量をあらわすδ(デルタ)をつかい、水素原子側にδ+と記入し、塩素原子側はいくぶん負(-)電荷を帯びることになるのでδ-と記入することがある。このように、異種原子間の共有結合では共有電子対に多少なりとも偏(かたよ)りがみられる。このような状態を結合に極性があるという。
Hδ+–Clδ-