正義
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正義
II. ギリシャ・ローマ時代の正義

古代ギリシャの哲学者プラトンによれば、正義とは「各自がそれぞれの努めにはげむこと」(「国家」)である。人間の魂は欲望、意志、理性の3つの部分からなり、国家も政治家と兵士と農民の3身分からなる。このそれぞれがほかの領分をおかすことなく、みずからの職務をまっとうするとき、魂と国家において調和のとれた正義の状態が実現される。

同じく古代ギリシャのアリストテレスにとっても、正義は「共同体的な徳」である。彼は、正義の本質を「平等の原理」にみとめ、それを「匡正(きょうせい)的正義」と「配分的正義」に二分する。前者は、各人の間で損得が生じないように物が等価で交換されることであり、後者は、各人が社会における貢献度に応じて適切な報酬や罰をうけることである。こうした考え方はローマ時代へうけつがれる。ユスティニアヌス1世の「法学提要」(533)の冒頭にはこうある。「正義は各人に彼のものをあたえる恒常的で不断の意志である」。→ローマ法の「ローマ法大全」