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| III. | 中世の正義 |
ユダヤ教とキリスト教は一神教であり、その神は人間に戒律をいいわたす神である。したがって、キリスト教が支配する中世においては、正義の唯一絶対の源泉は、聖書とそこに書かれた神の言葉である。アウグスティヌスによれば、人間は、最高の善である神を愛することによって正義を手にいれる。
イタリアのトマス・アクィナスは、永遠法、自然法、実定法という3層からなる法思想のもとに正義を基礎づける。自然法とは、神の世界統治の理念である永遠法が人間理性に適用されたものであり、正義はこの普遍的な自然法にもとづかなければならない。