正義
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正義
IV. 近代の正義

自然法思想は、近代にそのままうけつがれる。近代法学の父グロティウスはこうかたる。「自然法は不変なものであり、神さえそれを変えられないという意味で不変なものである」(「戦争と平和の法」1625)。

ただし、自然法の基礎はもはや神の永遠法ではなく、人間相互間の理性的な合意ないしは契約である。17世紀の思想家ホッブズは、人間の自然状態は「万人の万人に対する闘争」でしかなく、そこには正義の観念も不正の観念もなかったと考える。そこで人間たちはたがいに契約をかわして、絶対権力(国家)をつくり、それによってたがいの生命の安全を手にいれる。さらにイギリスのロックは、人間は生命、自由、財産からなる所有権をまもるために契約をむすぶと主張する。

こうした社会契約説によれば、正義とは理性的な社会的ルールを遵守することにほかならない。