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| III. | 軌道 |
火星と木星の間の主小惑星帯(メインベルト)とよばれる軌道を周回する小惑星群は惑星の残骸(ざんがい)ではないかと考えられている。これらの小惑星は大きな惑星に成長しかけたものの、近くにある木星の重力の影響によって惑星を形成できなかったものと思われる。最初は数十個の小惑星が存在していただけだったのが、たがいに衝突してバラバラになり、数をましてきたと考えられている。
主小惑星帯にある小惑星番号2番パラスや4番ベスタなどの小惑星の多くは太陽から2~4天文単位(AU:1AUは約1億4960万km)の軌道(木星との公転周期比が1/2~1/4)に集中しているが、その中には比較的小惑星が少ない領域がいくつかあり、カークウッドの間隙(かんげき)とよばれている。これは小惑星が木星の重力の影響により、木星の公転周期と整数比になる共鳴現象によって、小惑星の軌道が大きく変化し、ほかの小惑星へ衝突したり、惑星へ接近することでその数が減少した結果だと考えられている。
このような密集した小惑星の少ない領域とは別に、トロヤ群小惑星とよばれる集団は、木星のラグランジュ点と同じ軌道上(木星の前方60度と後方60度の所)をうごいている。また、トロヤ群(木星との公転周期比が1/1。以下同)よりも火星に近い軌道にはヒルダ群(公転周期比は2/3)、チューレ群(公転周期比は3/4)とよばれる小惑星群もある。こうした主小惑星帯とは別に、1977年、土星と天王星の間の軌道上で2060番キロンが発見された。
主小惑星帯とはちがい地球近傍の軌道をとおる小惑星群としては、1980年代までに、火星の軌道を横切る約75個のアモール型小惑星(アモール群)、地球の軌道を横切る約50個のアポロ型小惑星(アポロ群)、地球軌道よりも軌道が小さい10個以下のアテン型小惑星(アテン群)が発見された。433番エロスは、38 × 15 × 14kmという細長い形をしている。一風かわった形をしたアポロ型小惑星の3200番パエトーンは、幅が約5kmで太陽に2090万kmの距離まで接近するが、これよりも太陽に近づく小惑星はまだ発見されていない。パエトーンは、毎年みられるふたご座流星群(→ 流星群)にも関係している。→ 地球近傍小惑星