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| III. | 保護色としての働き |
また、動植物に保護色を提供する色素もある。保護色は、捕食者(→ 捕食)の目をあざむき、餌食(えじき)になることをまぬかれる機能をもつ。着色パターンによっては、生物が背景にまぎれこむため、捕食者はこれをみわけることができなくなる。たとえば、チョウとガの翅の模様には、いつもとまる木の幹の樹皮ととてもよく似ていて、数センチメートルはなれた所からでも木と区別できないものがある。
また、昆虫の中には、色だけでなく形もまねて、うまく背景にまぎれるものが多い。たとえば、熱帯地方のハナカマキリは、色素がランの色とよく似ているだけでなく、体型全体が花の一部のような形をしているため、とまっているランの花と見分けがつかない。また、葉に似た色と形をもつコノハムシのような例もある。
食べることができない色、あるいは有害な生物に似た色をもつことで、身をまもるものもいる。たとえば、アメリカ産のチョウの一種カバイチモンジは、オレンジと黒の図柄に着色されており、これは、有毒なオオカバマダラに似た色となっている(オオカバマダラの幼虫はトウワタを食物とし、そこからアルカロイドと強心配糖体を摂取するが、これらの物質は脊椎動物に深刻な影響をもたらす)。→ 適応:擬態