ベートーベン,L.van
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ベートーベン,L.van
III. 影響

ベートーベンは、それまでのように教会や貴族の注文に応じて音楽を書くのではなく、みずからの創作意欲にしたがって作曲をした。そのため、ロマン主義が理想とした英雄的な芸術家像を体現した音楽家として、19世紀にひときわ高くそびえたつ音楽家であった。しかし、彼の直接的な影響のもとに音楽を書いた作曲家の数はかぎられる。そうした作曲家のブラームスは、ベートーベンの交響曲があまりに巨大に思えたため、40歳をすぎるまで交響曲を書くことができなかった。またドイツの作曲家ワーグナーは、ベートーベンの交響曲第9番、とりわけ合唱入りの終楽章を、みずからの楽劇理論の支えとした。しかしそれをのぞくと、ベートーベンの交響曲の理想が発展の最終段階として世の中にあらわれたのは、ようやく19世紀末、オーストリアのブルックナーとマーラーによる後期ロマン派の時代であった。今日でもベートーベンの管弦楽曲や室内楽曲は、世界じゅうの演奏会の柱となっている。