統合失調症
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統合失調症
III. 原因

原因は1つにしぼることはできない。統合失調症でなくても、個人の人格には、その人の生活史、心理状態、教養などが相互作用をおよぼしているはずである。したがって統合失調症の場合でも、そういうものが影響をあたえていることは確かだろう。また、遺伝的な要素も考えられる。全体の発病率は1%程度だが、両親のどちらかが統合失調症の場合の発病率は10%である。ただ、それが遺伝子のせいなのか、統合失調症の親がいるという環境のせいなのかは、いまだに問題となっている。

最近になって、遺伝子の欠陥による統合失調症の例もあることがわかってきた。たとえば、まったく同じ遺伝子をうけついでいる、一卵性双生児のうちの1人が統合失調症だと、もう1人も統合失調症になる確率は35~58%である。しかし、遺伝だとしても、生物学的な問題なのか、神経学的な問題なのか、酵素の問題なのかについてはまだわかっていない。現在のところその要素は、患者個人個人でさまざまだと考えられている。

環境という面では、家族との関係がうまくいっていないことが大きな要素だと考えられているが、確かな原因かどうかははっきりしない。

また、脳の病気によるものだという説もある。たとえば、脳で神経と神経の間にいろいろな連絡をするドーパミンという物質が、統合失調症患者では異常に多いという仮説がある。また脳の画像診断によって、脳の構造が異常をしめす患者がいることもわかっている。