絶対零度
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絶対零度
II. 0.00001Kの実現

絶対零度は実験的には達成できていないが、近づくことはできる。このような極低温に近づくには特別の手順が必要である(低温学)。アメリカの機械工学者サミュエル・コリンズが設計した装置で沸点4.2K(-268.9°C)の液体ヘリウム(ヘリウム)をつくることができる。

気圧をさげてヘリウムを蒸発させると、0.7Kまで温度がさがる。さらに低温にするには、クロムみょうばんなどの常磁性体を液体ヘリウムの中にひたして、熱の移動をゆるさない状態で磁場を除去する断熱消磁をおこなう(熱力学)。この方法は1937年にカナダ生まれのアメリカの化学者ウィリアム・ジオークが開発した。最初に磁場をかけることによって常磁性体のイオンの磁気が一方向に整列するが、磁場をのぞくとふたたび無秩序になる。そのとき物質の熱エネルギーがさがり、温度もさがるのである。この方法で0.002Kの低温度が達成された。

原子核のもっている磁気を利用して、同じ手順をおこなって0.00001Kまでの低温がえられている。絶対零度近くの温度を測定することはむずかしく、ヘリウムの液化温度以下では気体温度計はつかえない。電気的、磁気的な測定によって温度を決定する方法がとられる。