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| V. | スペクトル分析 |
吸収されたり発生したりする光の単位は、光子(フォトン)または量子とよばれる微小な粒子である(→ 量子論)。1つの光子がもつエネルギーeは、振動数uに比例し、波長λに反比例する。これを簡単にあらわす式は次のようになる。

ここでhはプランク定数、cは光の速度である。原子や分子が放出または吸収する光の色、つまり波長(すなわちエネルギー)は、その原子や分子のもちうる運動エネルギーと位置エネルギーをたした全エネルギーによっている。エネルギーは、原子や分子の構造、動き方などによって複雑にかわる。原子を構成しているのは原子核とそれをとりかこむ電子である。
原子核は重く、ゆっくりうごくので、光の発生・吸収はしない。電子はそれぞれの軌道を高速でとびまわっている。この電子が、ある軌道から別の軌道へととびうつるとき、原子が特定の色の光子を1つ発生したり吸収したりするのである。分子の場合、構成しているのはいくつかの原子の原子核とそれをとりまく電子である。
分子が光を発生・吸収するのは、それぞれの電子が軌道をかえるときのほかに、分子の回転や、原子核の振動が変化するときなどにみられる。分子の回転や振動の仕方が変化すると、電子の動きも変化するため、やはり特定の色の光が発生または吸収される。→ ルミネセンス
ある分子または原子が発生した光子の波長がわかれば、その分子または原子の構造あるいは、またその部分の動きについて、いろいろな情報をえることができる。