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| VI. | 連続スペクトル |
もっとも単純なスペクトルが、一定の領域の波長にわたってスペクトルが連続してあらわれる連続スペクトルである。これは白熱化するまで加熱した固体、液体、密度の高い気体などの放射でみられる。連続スペクトルにはすべての色の光がふくまれるので不連続な線がなく、ある色から次の色へと虹のように連続的にかわる。連続スペクトルは分光光度計でしか分析することができない。連続スペクトルを生じる理想的な物体を黒体というが、黒体が発するスペクトル中の色の強度は、温度によってのみかわる。
連続スペクトルのエネルギー分布に関しては3つの法則があるが、そのうち2つは、19世紀の終わりごろにドイツの物理学者ウィルヘルム・ウィーン、オーストリアの物理学者ルードウィッヒ・ボルツマン、ジョセフ・シュテファンらが発見した。1つ目はシュテファン・ボルツマンの放射法則で、黒体が放射する1秒当たりのエネルギーは、絶対温度の4乗に比例するというものである。2つ目はウィーンの変位則で、温度があがるにつれて、黒体放射のスペクトルが絶対温度に比例して振動数の高いほうにずれるというものである。3つ目の法則は1900年にマックス・プランクが発見したが、それはもっとも重要な、黒体が放射したさまざまな波長のエネルギー分布についての法則であった。
プランクは、実験の結果を説明するために、物体からの温度放射の熱力学的性質は、発生する仕組みや原子の性質についての仮定などにかかわらず、一定であるとのべたのである(→ 熱力学)。これらの考えから量子論が発展することになった。