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| II. | 株式の種類 |
株式の種類によってその株主の有する権利はことなっている。
株式は一般に普通株と優先株にわけられる。ここで普通株とは会社が発行している株式のうち標準となる株式であり、優先株とは、たとえば、株主総会での議決権がないかわりに、利益配当請求権や残余財産分配請求権などの株主権の行使順位が普通株より高い株式である。
つまり、優先株の株主は、普通株の株主よりも優先的に利益配当をうけたり、残余財産の分配をうけることができる。したがって、利益が少なくて普通株の株主には配当をしはらう余裕がない場合でも、優先株の株主にはあらかじめさだめられた額または割合の配当がしはらわれる。発行する側にとっては、業績不振でも株主を容易にあつめられる利点がある。
会社の業績が悪化し優先株の株主にも配当をしはらうことができなくなった場合に、その不足額を翌年度以降の利益配当によって補填(ほてん)される優先株を累積型優先株といい、補填されない優先株を非累積型優先株という。
また、会社の業績が好転して配当余力がました場合に、普通株の株主と同じように優先株の株主にもあらかじめさだめられた額または割合以上の配当がしはらわれる優先株を参加型優先株といい、あらかじめさだめられた額または割合の配当しかしはらわれない優先株を非参加型優先株という。
そのほかの株式としては、償還株式と転換株式がある。償還株式はあらかじめ利益により償却することが予定された株式である。償還株式と優先株はまったく別の概念だが、償還株式は優先株であることが多い。それは、優先株の株主には一定額の配当をしはらうことを約束しているために会社にとって負担になるので、会社の業績がいいときにその利益でもって償却し将来の負担をへらそうとするためである。
転換株式は、いくつかの種類の株式が発行されている場合において、他種類の株式に転換できる株式である。転換株式の典型例は、優先株が定款にさだめられた転換率などの条件にもとづいて普通株に転換する権利が付与されているものである。
普通株にくらべて安定的な収益が期待できる優先株にも、上述したようにさまざまな種類があり、非参加型で累積型の優先株になるほど株式としての性格より社債としての性格が強くなる。さらに、この優先株が償還株式の場合にはその傾向がいっそう強まる。
日本では普通株以外の株式は商法222条(現在は会社法108条)に規定があるが、実際に発行された例はきわめて少なかった。しかし1990年(平成2)の商法改正によって優先株発行の手続きが簡素化され、自己資本比率を高めることが要請されていた銀行があいついで優先株を発行した。
なお、2001年の商法改正によって、さまざまな制約のあった額面株式が廃止され、従来の額面株式と無額面株式の区別はなくなった。