| 検索ビュー | 触媒 | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
触媒とは自身は科学的に変化せず、添加により化学反応の速度をかえる物質。反応によりその物質の化学的性質は変化しない。もっとも強力な触媒である酵素は、生体内で重要な役割をしており、通常、有機物のほとんどがこわされてしまうような温度を必要とする反応を促進させることができる。
| II. | 均一触媒 |
反応物質をふくむ溶液中、または反応物質と同一相の触媒を、均一触媒とよぶ。均一触媒は、反応物質の一方と結合し、もう一方の反応物質とより容易に反応する中間化合物を形成する。しかし、生成物が反応物質に分解する速度も同程度まで加速されるので、触媒は反応の平衡に影響をあたえない。均一触媒反応の1例は、酸化窒素を触媒として二酸化硫黄(いおう)を酸素と反応させて三酸化硫黄を形成する反応である。この反応では中間化合物である二酸化窒素を一時的に形成した後、二酸化窒素が酸素と反応して酸化硫黄を形成する。反応終了時の酸化窒素の量は、反応開始時とかわらない。
| III. | 接触触媒 |
反応物質と別の相にある触媒は不均一、または接触触媒とよばれる。接触触媒は、気体または液体分子を、その表面に吸着する能力をもつ物質である。不均一触媒反応の1例は、白金微粉を触媒として、一酸化炭素を酸素と反応させ、二酸化炭素を形成する反応である。この反応は、排気ガスから一酸化炭素を除去するために、自動車に装備される触媒コンバーターで使用される。
| IV. | 促進剤 |
促進剤、あるいは助触媒とよばれる触媒はそれ自体は触媒機能をもたないが、触媒の活性を増大させる。たとえば、アルミナを鉄微粉にくわえると、窒素と水素の混合物からアンモニアを生成する反応での鉄の触媒能力を増大させる。他方、触媒の活性を低下させる物質を触媒毒とよぶ。鉛化合物は白金の触媒能を低下させる。したがって、排ガス抑制用触媒コンバーターを装備する自動車は、無鉛ガソリンを燃料としなければならない。
触媒は今日の産業界できわめて重要である。
| V. | 触媒の利用 |
化学工業の80%は、触媒反応を利用しているといわれる。工業的な触媒の利用は、たんに反応速度を増大させるだけでなく、少ないエネルギーで反応させたり、特定の化合物の収量を向上させる、ほかの方法では合成しにくい化合物を製造するなどの目的につかう。
現在活発に研究されている触媒反応の分野は酵素に関する分野である。天然の酵素は少数の産業で旧来から使用されているが、工業的な量で現在入手可能な天然酵素は20種にみたない。この資源を拡大するとともに、高度に特異性の高い用途の半合成酵素を開発する方法が模索されている。