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| II. | 熱帯雨林の複雑な構成 |
熱帯雨林に生息する植物と動物の種数は、熱帯雨林以外の世界のあらゆる生態系に生息する種のすべてより多い。熱帯雨林にみられる植物の種の、ほぼ70%は木である。熱帯雨林は垂直に層をなしており、3~5層の植物で構成されている(このことは、この項目にそえた「熱帯雨林の垂直方向の植物相」で図示した)。
すなわち、巨大な高木を中心に上層の林冠部と、1~3層の中間の樹幹部、そして最下層の林床部である。林冠とは、樹木の枝や葉がしげっている部分のことである。上層の林冠は地上30~50mに達する。直径が20cm以上にもなる木性の蔓植物は、至る所にみられ、これらの先端は上層の林冠に達することもある。
ランやパイナップル科の植物などの着生植物の豊かな群落がみられることがよくある。着生植物は日当たりのよい、木の幹や枝に固着して生育する。シダも着生植物群落のメンバーになることがある。着生植物は栄養のほとんどを、雨水にとけこんだミネラルや、動物の糞(ふん)、そのほか木に付着した物質からとる。
熱帯雨林では林冠に枝や葉がしげり、日光が林床までとどくことはほとんどない。常緑樹のため、林床の落葉層はわずかで、養分は少なく落葉層が分解されてできる栄養分はすぐに樹木によってふたたび吸収される。熱帯雨林では、栄養分のほとんどが樹木にたくわえられることも大きな特徴である。