| ステンレス鋼 | 項目ビュー | ||||
| 印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。 | |||||
| IV. | ステンレス鋼の種類 |
成分だけでなく、金属組織の違いから、(1)マルテンサイト系、(2)フェライト系、(3)オーステナイト系、(4)2相系またはオーステナイト・フェライト系、(5)析出硬化系に分類される。
| 1. | マルテンサイト系ステンレス鋼 |
クロムを13%程度ふくむ13クロム系が代表的。成分と熱処理条件でさまざまな性質のものがえられる。高い強度と耐食性、耐熱性がもとめられるタービンブレードやポンプなどにつかわれるが、炭素を多くふくむものは耐摩耗性がすぐれているので、刃物にも使用される。また、強磁性体でもある。
| 2. | フェライト系ステンレス鋼 |
クロムを18%程度ふくむ18クロム系が代表的。焼き入れや焼き戻しはできないが、耐食性はマルテンサイト系よりも高い。用途は、一般の食器や厨房用品(ちゅうぼうようひん)、化学プラントなどが多い。マルテンサイト系同様、強磁性体である。
| 3. | オーステナイト系ステンレス鋼 |
代表的なものは、クロム18%とニッケル8%が添加された18-8ステンレスである。焼き入れや焼き戻しはできず、非磁性体の材料。耐食性、加工性にすぐれ、化学工業や高級な食器、鉄道車両の本体としてつかわれる。切削や圧延を容易にするため、硫黄やセレンが添加されることもある。
| 4. | 2相系ステンレス鋼 |
クロムが22または25%前後、ニッケルを4~6%、さらにモリブデンが2%程度くわえられたものが一般的。常温で、オーステナイトとフェライトの2つの組織が、ほぼ半分ずつ混在する。熱処理の条件を制御すると、機械的強度や耐食性の高い材料になり、おもに船舶や熱交換器など高温で腐食しやすい環境でつかわれる。
| 5. | 析出硬化系 |
金属材料では、完全に溶解した液体から結晶ができることを晶出、固溶体から焼きなましや焼き戻しの熱処理によって、新しい組織ができることを析出という。もともとの組織を母相、新しくできる組織を析出相という。さらに、析出によって機械的強度が高くなることを析出硬化といっている。ステンレス鋼の熱処理で、条件をうまく制御すると、析出相が組織に適度に分散して、機械的性能が向上する。析出硬化系ステンレスは、クロムとニッケルのほかにアルミニウムや銅などを添加して、析出を効率的にする。
→ 製鋼